第7章 流転

流転 44

仕方なく、この中途半端な策で手下達を押し切る。 そう決めた。 僕は全員に聞いた。 「なんか受付機に通す良い方法を思い付いた奴は?」 誰もいない… がっかりする程の馬鹿ばかりである。 「お前らちっとは物考...
第7章 流転

流転 43

「私がカードを余らせて良夫さんがそのカードを私から買う場合はどうするんですかね?あの人は私の値段でカードを買わなければいけない事に気付いていませんね。少し上乗せしても良い訳ですよね」 源次はそれだけ言って笑いながら良夫ちゃんの車の後...
第7章 流転

流転 42

「電話は呼び出しますけど出ませんよ」 またか… 「まだ出てんのかな?」 「さあ…」 仕方なく良夫ちゃんが打っているパチンコ屋へと向かった。 この日が受付機設置後の初めてのカードゴトだったので一軒で15枚ほどの...
第7章 流転

流転 41

「良夫さん爆発してました… 15回は出てます」 おのれ… 許さん!! 僕の予想をいつも上回る非常識。 お金が絡む時、良夫ちゃんにリミッターは無い。 苛立ちを抑えて源次に聞いた。 「後どれくらいで終わりそ...
第7章 流転

流転 40

餌を目の前にぶら下げられた良夫ちゃんは無敵であった。 僕は離れた所から良夫ちゃんを見ていた。 良夫ちゃんは物凄い勢いでカードを受付機に通している。 先ほどまでの怯みが全く見えない。 周りなど見えていないのであろう。...
第7章 流転

流転 39

「怖くは無いです… でも他にも女ばっかりの店がありますからそっちが良いんです!」 確かに良夫ちゃんは女性従業員ばかりの店なら震える事は無いだろう。 しかしそれでは良夫ちゃんは使えない。 女性従業員中心の店を探すには、どう...
第7章 流転

流転 38

あっと言う間に終わった。 僕はこの時も良夫ちゃんから数分遅れで店に入った。 良夫ちゃんは、偵察など一切しない。 女を下等な生き物だと間違いなく認識している。 自分が1番下等だと言う事に気付いていない。 最悪は...
第7章 流転

流転 37

個人がやるギャンブルの胴元は、胡散臭さで充満している。 インチキされても、お客さんには気付けない。 国よ… どうにかしろ。 誰の懐を潤しているのかは知っているのだろ? いつまで目をつむる? と、ゴト師だ...
第7章 流転

流転 36

源次が到着して、どうなったのかを聞いて来た。 答えづらかったが言わない訳にもいかない。 良夫ちゃんが僕を見て言わないでくれと言う顔をしている。 また喧嘩が始まるか? ダルイわ… まあ、罰だ… 僕は源次に...
第7章 流転

流転 35

興奮が痛みを忘れさせている。 それまで、ほとんど食事をしていなかった無職男は長く走る事が出来なかった。 男性アルバイトは痛みを認知する前に無職男を取り押さえる事が出来た。 無職男は観念したようにその後は大人しかったと言う...