僕は後に何人ものヤ○ザ者を使っていたが、キレた妄爺が一番危ない事を身に染みて知っている。
武器はナタ。
鉈ってアンタ…
お金無くてドス買えなかったの?
でも妄爺のナタは仲間内でも有名だった。
妄爺は僕にとっては都合の良い事を言った。
「カタギになる以上、悪い事は一切したくない。だから取り分は要らない。俺の兄弟にお前を紹介する。俺を扱うのと同じようにお前と付き合わせる。でもパチンコ以外の事では絶対に兄弟と付き合うな。お前は喰われる。もしも兄弟が他の事でお前と付き合いたいと言ったら、妄爺に怒られるって言え。それをすぐ俺に報告しろ。パチンコの事で揉めても報告しろ。お前が100パーセント悪くても必ず助けてやる」
至れり尽くせりであった。
僕は、この言葉が嘘では無い事を後に知った。
しかし逆にプレッシャーになる。
喰われるの… 僕?
絶対何か揉めても妄爺には頼まないと決めた。
僕、あまのじゃく…
なめんなよ、ハゲ!!
そう思った。
そして妄爺の言った通りの形で、兄弟分との付き合いが始まった。
余り付き合いは長くなかったが、兄弟分にも名前を付けて措く。
すぐ切れたからキレ爺(きれじい)で…
僕にキレた事は無かった。
若い衆をよく絞めているのを目撃した。
血だらけで倒れている若い衆を、更に木刀で打ったりしていた。
多分対等な口を聞く僕にプレッシャーをかけていたのだと思う。
若い衆は、余計殴られて憐れであった。
何やったの?とか怖かったが無理して笑いながら聞いたりしていた。
たいした事してないんだけどね。
やだやだヤクザは…
ちと話しがそれるけど、どうしてヤクザは自分がヤクザだと相手に分からせて、怖がらせてからじゃなきゃ威張れないのであろう?
僕が付き合ったヤクザモンは、ほとんどがそうであった。
ヤクザの癖かな?
ヤクザだと聞いても、怖がらないと全然威張らない。
それは組織の上の方の人でも下の方の人でも同じであった。
何人かのヤクザモンと付き合ってる内にソコに気付いた。
あれかな?
ヤクザは腐っても肉食動物だから、ビクビクして草食動物のような態度をとると、喰われると言う事か?
僕はそう理解した。
だからヤクザを相手にしても、ことさら恐れ入ったり、相手を怖がったりはしなかった。
それでどうにかなって来た。
しかし犯罪を仕事にしていると、仕事が弱みになる事はあった。
何かあっても警察に助けは求められない。
自分も捕まってしまう…
僕の考えなど全く通じない、本物のヤクザも確かにいた。
話し逸れすぎた…
言いたかった事は【出来るならヤクザとは付き合うな】
付き合わなければ仕方ない状況になったら【自分で勝手にビビるな】
と言う事である。
少し前に変造カードの取引されている値段を一万円のカードが700円から1500円と書きましたが、その金額は間に何人かの人が入ったゴト師一般に流通していた金額です。
僕はキレ爺すら通さない工場直接の取引だったので、もう少し安かった。
一万円の変造カードは、使用済みのカードが大量に集まらない事を理由に、五千円や三千円の変造カードがメインで使われていた。
その他にも小額カードがメインに使われていた理由がいくつかある。
その中で一つだけ書いておきます。
偽造、変造カードにはエラーと言う物がある
使用済みカードのパンチ穴を埋めて、カードの裏側に、未使用の磁気情報を新しく書き込んで作られる変造カードには、必ずと言う程エラーカードが混ざる。
これは最初の頃は変造カードを作る工場の技術で…
変造カード末期は、カード会社の対策などである。
エラーカードは見た目では分からない。
まれに埋めてある筈のパンチ穴が埋まっていない事はあった。
ではどこでエラーカードと分かるのか…
怖い事に、パチンコ屋で実際に使った時である。
エラーが出ると、サンドの中から【変造カードが取り出せなくなり】残高表示の所に、エラー表示がされる。
更に、サンドの上の方に付いている、ペットボトルの蓋ぐらいの大きさのエラーランプが、無音で赤く点滅する。
エラーカードを工場に持って行けば、無料で取り替えるか、代金を返してくれる。
しかし、持って帰れる訳が無い。
サンドから出ないのだから…
そこでエラーが出たのが高額のカードだと、買い取りの金額も高いので文句がでる。
ゴト師は皆セコいのである。
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