「まだ連チャン中でしょ?」
「はい…」
「何回出すんでも構わないけど、金にはならないかんね。早めに終わらせなよ」
最後にそう言って電話を切った。
この後良夫ちゃんは、きっちりと単発のセットを一回で決めて、38回の当たりを引いた所で仕事を終えた。
お見事である…
僕は、電話を切ってすぐに中華ソバに電話を掛けた。
「どうだっタ?!電話出たかヨ!」
イレ込むな…
「出たよ。止めたけど37回出ちゃってるな…」
「え!?そんなに!?わざとだろ!そんなに出る訳無いヨ!」
「あン!お前、言葉は選んで使えよ… 間違えましたじゃ許さねぇぞ。連チャンが止まらなかったんだからしゃーねーだろうが…」
「だっテ…」
「だってじゃない。お前、上の奴に怒られんのか?」
「そんなに出てれば言われるヨ!店潰れるじゃないカ!」
一回や二回無理したって潰れやしない…
大袈裟だ…
「ふ〜ん、じゃあ、お前どいとけ… 直接僕がお前の先の奴と話す。お前が怒られないようにしてやるから」
中華ソバは慌てたように言った。
「何するノ!何言うノ?!」
「何って… せっかくお前が無理矢理入れてくれたのに迷惑掛けたくないだけだよ。ちょっとビビらすだけだ」
裏ロムグループなど、僕は怖くない。
相手の言葉尻を捉えてひっくり返すのは得意である。
証拠を隠滅している以上僕が負ける事は無い。
中華ソバの知り合いならば僕の事は知っているであろう。
当然、僕が連れている手下達の人数も、ある程度は知っている。
まだ知らないとしても、この後で中華ソバが喋るだろう。
喧嘩まではいかない…
そう思っていた。
中華ソバが更に慌てて言った。
「駄目だヨ!良いヨ!会わせないヨ!お前、メチャクソだヨ!」
メチャクソって言うなっての…
「でも、お前困るだろ?まかせとけよ。遠慮すんな」
「遠慮じゃないヨ!メチャクソやめろヨ!」
いい加減にしろ…
「メチャ、クソ、じゃない!メチャ、クチャだろ?」
「そんな事どうでも良いヨ!」
良かねーよ…
言われてんの僕なんだから…
「とりあえず、お前落ち着け… どうしても会わせないなら、お前が上の奴に上手く話してくれよ。話し方は教えるから」
少しして中華ソバが落ち着いたので言った。
「良夫ちゃんは、わざと出した訳じゃないぞ。ボケてるから、ちょっと失敗しただけだ。それは分かるか?」
「わざとだヨ…」
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