対策 対応策43

僕の思惑通り一連の行動が取れた。

カードの最後には、やはりエラーが出たが、店員の動きのタイミングを計り、危なげなくエラーカードを抜く事も出来た。

人は選ぶが、やれると思えた。

一つだけ思惑をハズれた事がある。

5枚のカードを使い切っても当たりが来ないのである…

この日の、これまでの苦労が、全て無駄と言う事である。

変造カードは、使えたからと言って、お金になる訳では無い。

当たりを引いて、初めてお金になる。

使えるカードが沢山あるのならば玉抜きなどの方法も取れるが、これまでの様にカードが使い放題では無い。

これから先を考えると、自分の引きの弱さが1番恐ろしかった。

5枚目の変造カードを使い終わった時の僕の感情は怒りだけである。

この…

くそボッタ!!

完全な逆恨みで、この店は、僕の中ではボッタクリ店確定である。

許せん!!

怒りがピークに達している自分がいた。

使える残りのカードの枚数の少なさが1番の原因であった。

5枚使い終わったら次の店に移ろうと思っていた事など、どうでもよくなった。

移動がウザい。

怒りが僕を無敵にしていた。

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怒りのままに席を立ち、受付機に向かう。

頭の片隅で黄信号がともる。

関係無い!

黄色は急いで渡れだ!

止まるか!!

ポケットから残り4枚の変造カードを取り出す。

なんのタメラいも無く受付機に連続で通す。

最後の1枚を通しながら、自分が座っていた台の方向を、首だけ振り向けて見た。

先ほどの店員が怪訝な顔でこちらを見ていた。

うぜー!

僕が首だけ振り向けて店員を見た事で疑いを呼んだのであろう。

店員が僕へと向かって歩き出す。

首だけで店員を見る姿勢は疑いを招く物である。

僕は更に頭にキた。

店員へと向かい、足が勝手に歩き出す。

彼が僕に何かを言おうとした直前に、先に口を開いた。

「なんだよ!あの機械!いちいちめんどくせーな!」

そう言いながら店員を睨み横を通り過ぎた。

店員は怯んだ様に、すいませんと言っていた。

歩くスピードを変えずに店員の謝罪を無視して、先ほどのハマっていた台にまた座った。

カードをサンドに挿入する。

すぐに僕の横の立ち位置に戻った店員と目が合った。

店員はペコッと頭を下げて愛想笑いをしていた。

僕はヘラッと笑い返した。

この日、この店で9枚の変造カードを使い、僕は当たりを1度も引かなかった。

パチンコなんて…

勝てないよ…

無理、無理!!

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