対策 対応策41

タケコブタの近くにある2軒のパチンコ屋が、偵察の時、なんとなく受付機に通しやすい様な感じであった。

その内の1軒に向かう。

考えてみれば随分ひどいカードではある。

受付機に通すだけでも困難であるのに、その中で使えるカードは3割。

使えば最後にエラーまで出る。

この後に知ったが、カードを途中で抜いてもエラーは出た。

1度サンドに入れたら、捨てて帰らない限り、必ずエラーが出ると言う事である。

どれぐらいの変造カードゴト師が残るのかは、やはり予測出来ない。

全員辞めても不思議ではない。

頭がおかしいか、どこか狂っている奴しか残らない様に思えた。

この先、変造カードを手下達に売って、大きく儲ける事は出来ない事を知った。

僕は随分楽に人より稼いで来ている。

今回の儲けの落差を思うとゴト師など辞めようかとも思う。

他のゴトを探す必要を強く感じた。

パチンコ屋に着いた。

緊張感がなさすぎる程、落ち着いている。

パチンコ屋の店員達の動きや対応が、全て感じ取れる様な気がする。

自分は何をしても捕まらない様な変な感覚に襲われていた。

自分に言い聞かせる。

勘違いするな…

そんなハズは無い…

捕まる時は捕まる…

僕は普通の人間だ。

スポンサーリンク

パチンコ屋へと入った。

この店の受付機は、入口に近く、カウンターに平行する通路にあった。

受付機の前に立てば、列のお客さんに対応する為の店員が、常時3人は見える。

僕から見えると言う事は店員達からも当然僕が見える事になる。

逃げないと決めていた。

真っすぐ行く。

細かい策などいらない。

心臓の強さで勝負する…

手に5枚の変造カードを普通に持ち、受付機の前に立つ。

1枚目のカードを投入口に差し込む。

体から力を抜いて、デジタル文字の表示窓口に、【30】と言う数字が出るのを3秒程待った。

それ以外のデジタル文字は、受付機がカードを受付なかった事を意味する。

【30】

よし…

出た…

使える…

すぐに次のカードを通す。

店員の方は全く見ない。

体の動きをユックリとする事だけを考えていた。

2枚目も3枚目もデジタル文字は【30】と出た。

最後の5枚目も【30】と出た。

投入口から戻った変造カードを、まとめて手で軽く持って、体ごと店員達が居る方向に向けた。

僕の方を見ている店員が一人いた。

アイツだ…

その店員に向かい、僕はユックリ歩き始めた。

コメント