対策 対応策39

せめて当たりでも引かないかな…

楽させてくれ…

願いも虚しく液晶画面の三つの数字は揃わない。

僕は、ツキを他の部分に使い切っているのか、引きが異常に弱かった。

同じ金額を使っても他の奴らに出玉で勝つ事は珍しい。

基本、パチンコに興味が無かったので、どう言う台が当たりやすいかなどは全く知らない。

パチプロなどと言う人種を神の如く思っていた。

インチキ無しで勝つなど僕には不可能であった。

そこへいくと婆さんや良夫ちゃんの引きは異常に強い。

知恵は無いのでパチンコ台の事を詳しく知ってはいない。

言う事は、完全にオカルトと呼ばれる摩訶不思議な理論である。

「玉の打ち出しの強い時間帯が出るんです。見てたら分かるでしょ?その時、左隣りの台に移るんです。三千円以内に当たります」

んなアホな…

仮にその通りだとしても、そんな濁った目で玉の打ち出しの強弱など分かるはずがない…

仮にも何もない…

そんな事は有り得ないのである。

パチンコはスタートチャッカーに玉が入った時だけに当たりハズレの判定をしている。

二人に、いくらそう言っても全く理解しなかった。

そして摩訶不思議な当たりを引き続けるのであった。

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当たりもエラーも出ないまま最後の500円を玉に変える為、貸し玉ボタンを押した。

玉が出て金額表示の数字がゼロになる。

使い終わった変造カードがサンドから吐き出される…

ん!?

あれ!?

出ない!

ギクッとしながら金額表示の所を見た。

見たくはない、エラーを表示するデジタル文字が出ていた。

当然カードは吐き出されずに、サンドの上部のエラーランプが点滅を開始している。

マジで〜

泣きそうである。

しかし慌てたりはしない。

サンドの鍵をポケットからユックリ取り出しエラーを解除する。

今度はカードがサンドから吐き出された。

ため息が出てしまう。

源次の方をチラッと見た。

あろうことか、源次もサンドの鍵をヒネッていた。

駄目じゃん!!

カードの使い終わりでエラーが出るようであった。

源次にアゴで外に出る様に指示をする。

どうするかを決めなければいけない。

玉が無くなり僕は外へ出た。

源次を待つ数分の間に腹は決まった。

全てのカードを試す…

タナカに、一々泣き付くのは面倒である。

他の選択は、有り得なかった。

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