データー取りを始めて、10日程経った頃に新しい変造カードは出来上がった…
意外と早く出来上がった事に喜びながらカードを受け取りに行く。
タナカが言う。
「はっきり言って何割のカードが使えるのか分かりません。今の私達の技術だと、これが限界です… この先も微妙な調整はしますけど」
後のタナカは、人が変わるが、この時はまだ懐に余裕があったのであろう…
彼は正直であった。
「そうか… まあ、試してみるさ」
受け取った額面三千円の、100枚の変造カードを持ちタケコブタへと向かう。
金額に直すと30万円分である。
最悪でも半分のカードは受付機を通って貰いたい。
でなければ、残る手下がガクンと減る様な気がする。
受付機に変造カードを通す事が既に犯罪である。
カードを使う前に捕まってしまうのである。
願いながらスネ夫にカードを渡し、受付機に全て通して貰った。
30分程待っただろうか、スネ夫が僕を呼ぶ。
怯えながら聞いた。
「何枚通った?」
「30枚です…」
3割…
微妙ーー!!
「そんだけ?何回か通した?」
しがみつく思いである。
「2回づつ通しましたけど…」
はい、死んだ、と…
しかし、本当の震えは、この先だった。
嫌な顔をするスネ夫に無理を言って、通った変造カードをタケコブタで使う。
9万円分のカードを源次と半分にした。
適当なパチンコ台に座り、二人で打ち始める。
受付機を通ったからといって使えるとは限っていない。
恐る恐るサンドにカードを挿入した。
エラー出るなよ…
そう願いながら。
金額表示の所に【30】と言う数字が出ている。
よし!
使える!
とりあえずだけど!!
エラーは、どこで出るか分からないのであった。
貸し玉ボタンを押す…
ビクビク物である。
なぜか、すっかりゴトの初心者に戻っている自分がいた。
500円分の玉が皿に出た。
よし、よし、セーフ!
少し離れた位置で打つ源次を見た。
同時に源次もコチラを見た。
エラーは出ていない様である。
受付機を通れば使えるんだと理解した。
これまで、貸し玉ボタンを押した時にエラーが出るのは、最初の一回が1番多かった。
その後はカードを抜く時か、カード残額がゼロになり、カードがサンドから自動で出る直前まで、エラーは出ないのが、例外はあるが普通であった。
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