対策 対応策28

よし…

勝ちが見えた…

源次にゴトをさせて、月に、4、50万円の回収しかして来なかった段階で、他のシノギなど回せない事は既に分かっている。

僕がダニに、しようと思っていた話しは、源次の買い取りだった。

しかし、僕が源次を買い取るなどと言えば、高額な請求をされる。

身代わりなど有り得ない。

少ない札束で、横っ面を張り飛ばす事に決めていた。

「源次さんを普通の仕事で使いたいってトコがあるんだけど、どうですか?先に少し金が取れます」

ダニは驚いた顔をしながら言った。

「何の仕事だ?少しっていくら?」

「そっちには200万。取れるのは400万だけど、半分僕が貰いたいんです。口利き料で…」

ダニの目付きが変わった。

今まで僕が、ダニから感じていた重みが消えた。

やっぱりコイツもクズだ…

「おい、おい、源次にはまだ1600からの借金があるんだぞ。200って何だよ。眠たい話ししてんじゃねーよ!」

もっと怒れゴミ…

計算を狂わせろ…

「眠たい?どこがですか?どうせ源次さんなんて、この先、ゴト辞めたら金稼げないじゃないですか。僕だって少し金欲しいんすよ。元金は回収出来てるんですよね」

「そんな事、お前に関係ねーだろうが!!」

怒った振りをするダニの顔が酷く滑稽に見えた。

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ゴキブリが、ダニの横でオタオタしている。

お前はホント駄目だな…

こう言う時は、兄貴の味方をするんだよ…

そう思った。

「そんなに怒んないで下さいよ。怖いから」

そう言いながら僕は通り掛かった店員にコーヒーのお代わりを頼んだ。

「お姉さんコーヒーちょうだい!ダニさんもいります?」

お前の脅しなど、僕に通じない事を知れ…

話しはそれからだ…

「あ!? あ〜 くれ!」

店員が全員のコーヒーを注いで行く。

「そっか〜 駄目か〜 良い話しだと思ったんですけどね」

ダニは怒りをかわされ押し黙った。

黙るんじゃねーよ…

この先、源次が、まとまったお金を作って来られない事は、余程の馬鹿でも無ければ分かるはずである。

400万に満たない元金で、ダニ達は既に常識では有り得ない金額を手にしている。

源次が、シボりカスな事は明白であった。

ダニは勿体を付けているだけだと僕は感じていた。

400万を全部自分の物にする方法が思い付かないのか…?

助け船が必要か…?

「まあ、無理にとは言いません。源次さんは今月で辞めて貰いますから。先方には断っておきますね」

ダニは僕を睨み付けたまま黙っている。

僕は、その目を、ボンヤリ見返した。

さてと…

今日はここまでだな…

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