パチンコ台の液晶画面の演出は、依存度を上げる為の方法が細かく計算されて作られている。
普通の主婦が、淋しさを紛らわせる為に、パチンコに依存すれば、抜け出せなくなる事は普通に起こる。
源次の嫁も抜け出せなくなった。
源次が、一流企業に勤めていた為、借金も普通の主婦より多く出来てしまった。
源次が嫁のパチンコ依存による借金に気付いた時には、その金額は、元金がいくらだったのかは分からないが、借り換え借り換えにより、数社からの合計で400万円に達していた。
全て勝手に源次が保証人にされている。
そして、源次に借金がバレた嫁は失踪した。
憐れ、借金は源次の物になった。
そこに一人の金融屋が近づく。
ゴキブリの兄貴分の仲間であった。
数社に分かれた借金を、一社にまとめると上手い事を言われ、源次は信じてしまった。
利率の説明などは、うやむやだったと言う。
この時既に、取り立ての電話が、源次の会社にまで掛かる様になっていた。
深く考えずに、源次は、借金の一本化を受け入れたと言う。
その後は、御定まりの様に、数々の金融屋を、たらい回しにされ、暴利の金利が膨らんで行った。
僕と知り合った時の借金総額は2400万円である。
当然の様に会社にもバレて解雇された。
退職金も全て金利で消えたと言う。
もう何も残っていない。
しかし源次は、逃げると言う事をしなかった。
借りた物は返す…
それが源次の思考であった。
そして最後はゴキブリの兄貴分の奴隷の様になりゴト師になった。
お人よしにも程がある。
僕なら会社に取り立てが来た段階で金など返さない。
生活を壊してまで借金など返す必要はない。
返せなくなるのが分かっていて貸す奴が悪いのである。
企業を相手に借りたお金に罪悪感など持つ必要はない。
罪の意識に駆られて死亡保証金で返そうとしたり、女性ならば体を売らされたり等は絶対にしてはいけない。
行き詰まれば、破産宣告をすれば良い。
そしてキレイになった所から人生をやり直すのである。
法律がある以上、利用する方が良い。
破産宣告をする事によって財産を持たない者が被る損害など微々たる物である。
大きい損害をあげるとするならば、新しい借金が数年間出来なくなる。
それすらも、通常は、7、8年で回復させられる。
破産が認められた後に、免責と言う、借金をチャラにして貰うまでの数ヶ月の期間だけ、引越しが許可なく出来なくなる事や、その期間、国に絡む就職の制限を受けるなどの微々たるいくつかの罰則しかない。
よく聞く選挙権が失くなる等は大ボラである。
こっそりやれば、金融機関以外の人間には知られる事もマレである。
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