企業と言う物は、トップや幹部が間抜けである事は、罪ではなかろうか。
変造カードゴト師を、今回捕まえると判断したのは当然幹部であろう。
新規開店を迎えて、お店の宣伝をしなければイケない時期に、やられても損に為らないゴト師を、必死になって捕まえる意味があったのであろうか?
ゴト師に厳しい店と言う印象を与えたかったのか?
多分違う…
幹部は深く物など考えていない。
考えていれば、逮捕劇はもっと違う形になった筈である。
まかり間違っても、お客さんを巻き込む形には為らない様に考える。
何となくの逮捕…
それがゴト師に暴れるスキを作らせた。
数で固めれば大人しく捕まると単純に考えたのであろう。
ホール内は騒然としている。
椅子から滑り落ちた様な格好の女性客も見える。
暫くすると、暴れていたゴト師は押さえ込まれた。
更に集まった店員達に、体中を掴まれ、引きずられるように連れて行かれた。
しかし既に取り返しが付かない。
お客さんを危険に巻き込んだと言う事実は拭えない。
犯罪を目の当たりにした事が無い人や、女性客などは、ゴト師や大型店に対して恐怖を覚えた筈である。
これは僕の、一人勝手な考えでは無い。
この大型店の、先行きの結果が物語ったのである。
捕物劇が終わり、僕はすぐに自分達のゴトについて考えた。
じきに警察が来る筈である。
カウンターを見ておこうと思った。
ついでに良夫ちゃんと婆さんの出玉も両替して行く事にした。
後でギャーギャー言われたくは無い。
二人に出玉を捨てさせたりすれば絶対騒ぐ。
ウザい…
店員を呼びドル箱を流させた。
何の問題も無くレシートを受け取りカウンターへと向かう。
他の手下三人が、どこに居るのかは捜しもしなかった。
捕まりでもすれば笑い話しのタネである。
カウンターをザッと見たがおかしな雰囲気は無い。
しかし早めに両替を終わらせる必要を感じながら車へと戻った。
中華ソバが不安そうな顔をして僕を迎えた。
「どうだったヨ?」
「変造カードやってた知らない奴が捕まった。多分警察が来るから両替のスピードを上げるよ。レシートいくら分作った?」
「100万ちょっト… 平気かヨ?」
「平気だ。問題無い。でも、ここでレシート作りはもう出来ないから中型店行くか? 僕は行けないけどガードは付ける」
「行くヨ…」
細かい打ち合わせと確認をする。
中華ソバはピンを連れて、中型店へと手下の車で向かった。
コメント
誰も捕まらなくて一安心。でも手下三人は捕まって欲しかったような(笑)
パチスキーさんおつかれ様です。
乞うご期待。