捕まる可能性がある悪い事だからこそ、真面目にやるのである。
手下達に言った。
「お前ら… 後でキツイ状況に為った時、お前らがどんなにビビッても連続で両替に行かせるからな… その時に同じセリフを言えよ。僕に生意気な口を聞いた以上、怯んだり、ビビる事は許さない。分かったな…」
引いてはイケない所では絶対に引かせない。
危険など無視である。
せいぜい後に為って震えろ…
お前らのは、ただのイキがりなんだ…
そう僕は思った。
数々あった不安を吹き飛ばすように全てが順調に進んで行く。
午後4時の段階まで何の引っ掛かりも無い。
中型店では残りのレシートが100万円を切った。
ツルッパが電話で言う。
「何の問題もないぞ。カウンターが閉まるのが5時だから、このまま行けば全部両替出来る」
一つ指示をした。
「残り100万円分の景品は換金しないでお前持ってて。換金所に金が無くなると騒ぎになるから。レシートを全部両替してからソノ景品は皆で細かく換金して」
「分かった。何かあったら電話するから」
そう言ってツルッパは電話を切った。
怖がらせなければ普通の男である。
大型店の方は更に順調であった。
最上階にあるカウンターでは、ホールを回る店員では無く、カウンターレディーが両替業務を専門に行っていた。
彼女達は、お店の顔として礼儀正しい態度を取る事に終始している。
ゴト師に対する警戒などは限りなくゼロであろう。
お客さんを疑う事すら禁止の教育をされている様なカウンターレディーは数々の店で見かける。
大型店のカウンターレディーもソレに属するのであろう。
それらのパチンコ屋は何か間違いを犯している様に感じる。
最後の関門を、疑う事を禁じられた人間に任せる危険を、どう考えているのであろうか。
カウンターに、ゴト師が来る前に捕まえられない店が取る対応では無い様に思える。
ゴト師は隙間を摺り抜ける…
大型のチェーン店に見られるゴト師に甘い対応であった。
この大型店では夕方のカウンターを一度閉める作業が、開店から三日間は無い事が話しの付いた店員からの情報で最初から分かっていた。
店員達は、一日を通して働くので、カウンターを閉める必要が無いと言う。
開店が遅く、閉店が早い為であろう。
閉店まで、データー的にバレる事無くレシート交換が出来ると言う事である。
コメント
1回の仕事量が半端ないですね。
それでも潰れないって事はパチ屋儲かってたんですね。