手下が両替を終えて戻り、作られたレシートの成功と安全の確認がされた。
ツルッパも僕との電話で声を上擦らせていたが無事に両替を終えた。
両替に向かう前に、ツルッパに買って来て貰っていた、鎮痛薬の効果が少し現れる頃になって、中華ソバとピンが前後して店から出て来た。
「上手く行ったヨ! 凄く楽だった! このやり方なら三軒目も出来るゾ!」
うるせー…
興奮すんな…
大型店で、お前がドジる可能性はゼロじゃない…
手下を撤収させて大型店に急いで向かう。
ガードに使った手下も全員連れて行く。
何もしていない手下数人とツルッパを中型店に残した。
出来上がったレシートは全てツルッパに預けた。
僕からの指示で両替を開始する手筈である。
ちょっとやそっとじゃ負けない男の運転で大型店に着いた時には、まだ大型店は開店していなかった。
街のアチコチには分散して手下達が集まっている。
数人に一人、リーダー役を決めていた。
彼らを集め、この先の手順を細かく説明した。
携帯を切らない事を確約させて、全員が思い思いの場所で待機に入る。
「一カ所に固まるな」
最後に、それだけは強く言った。
中華ソバは少しテンションが上がっていた。
一軒目が簡単に出来た事で気分が良くなり、良い感じに興奮しているように見えた。
ゴトを恐れていない。
恐れは視野を確実に狭める。
多少の興奮や怒りはゴトをする際に良い方に働く事もある。
ゴトをしながらも、当たりが全く来ないでハマる事がある。
そんな時の軽い怒りや興奮は怖い物を忘れさせる。
多少大胆に為りすぎる感じはあるが怖がるよりは遥かに良い。
中華ソバは、ソノ状態に似ていた。
何となくイケるような気がする。
不安はある。
中型店と違い、開店三日目の大型店では、中型店と同じ様なガードが出来ない事である。
大型店の入口から並ぶ、開店待ちの多数のお客さんがソノ原因である。
僕達だけで台の確保など出来ない。
台に座れない立見のお客さんも多数出る事が当然の様に予想された。
この店でのレシート作りは中華ソバに任せるしかない。
多少のガードは出来るが気休めにしか為らないであろう。
僕は中華ソバに聞いた。
「軽いガードはする。でもほとんど一人でやる事になるけど平気か?」
コメント
更新ありがとうございます!
完全に油断してました(笑)
毎日の楽しみが出来ました。
応援しています。