午前10時の開店と共に、中華ソバとピンが中型店へと入って行く。
手下達は、店の周りに散開して待機の状態に入った。
15分程すると、中華ソバ達が店から出て来て、仕込みが無事に終わった事を僕に告げた。
直ぐに手下達を送り込む。
台の確保に、楽なガードの成否が掛かっている。
最悪を防ぐ為に、計量機から1番近い2台のパチンコ台は、煙草とライターによって中華ソバが既に押さえている。
その背中合わせになった台にピンと源次が座る。
そこから順番に手下達が一台、間を空けて座る。
5分後、問題無く台の確保が出来た事を手下が僕に伝えた。
中華ソバとピンに言った。
「大丈夫だ。ガードに問題無い。無理しないでやれよ。少しでも疑われたら中止しな」
そう言って二人を見送った。
午前11時…
僕の手元には無事に作られた100万円分近くのレシートがあった。
全て3万円前後のレシートである。
中華ソバにもガードにも問題は全く無いと言う。
予定よりもレシートを作るスピードは早い。
残りのレシートは全て4万円前後の物になる。
更にスピードは上がるはずである。
出来上がったレシートを、近くに居た手下に一枚持たせ、カウンターへと両替に向かわせる。
無事に使えるか試す必要がある。
ツルッパに行けと言ったら嫌がった…
「次は行けよ。嫌とかねーんだよ。ガードの奴が使ったパチンコ代の回収なんだから。アイツが無事なら問題無いから…」
ツルッパは渋々頷いた。
「怖くても絶対皆の前で怖いって口にするな。余裕な顔してろ。どうしても無理な時は、皆から離れて電話で僕だけに言え。じゃないと庇えないぞ」
「分かった…」
「今怖いんだったら電話で僕と喋りながら行け。店員の顔は絶対見るな。そうすれば怖い事なんか何も無い。分かったか…ハゲ!」
「剃ってんだよ!」
いや…
そのビビり方は間違い無くお前をハゲさせる…
神経使い過ぎだろ…
「試しに生やしてみな。多分てっぺん生えて来ないよ」
ツルッパは慌てて頭頂部を撫でた。
「生えて来ない感じだろ?」
「いや!生えるよ!」
必死な顔である。
「それはどうかな…」
ツルッパの顔が少し青ざめる。
その顔が可笑しくて、少し笑っただけだったが、僕の腹筋がツッた…
笑わすな、ハゲ!!
コメント
続きが楽しみです。
更新間隔短縮希望です(笑)
パチスキーさんコメントありがとうございます。
では、今月いっぱいは頑張って毎日更新します!