大型店には、話しの付いた店員が一人居る。
僕は会っていない。
なにはともあれ、店側の人間が一人でも味方に付いて居る事は、安全の可能性を上げるだろう。
更に、あの店の計量機に対するセキュリティは、見た目的に何もされていない様に見えた。
データー的に、何らかのセキュリティが為されているのかは分からない。
常識で考えて、最新型のカメラが取り付けてある店である以上、何か為されているようには思える。
しかし、分からない事を考えていても仕方がない。
ゴトをやりながら探って行くしかないと僕は思った。
この段階で、僕が思う1番の危険は、中型店のレシート作りである。
話しなど、どこにも付いていない普通のゴトなのである。
中華ソバがレシート作りに失敗すれば終わりであった。
バレ方に依っては、大型店のゴトにも影響が出る。
中華ソバが捕まり、ゴト道具を没収されよう物なら目もあてられない。
コイツには捕まりそうに為った前科もある。
信用ならん。
更に僕は、道具の使い方を見る事を、諦めていない。
手下に書かせた中型店の簡単な見取り図が僕の手の中にはあった。
楽にレシートを作れて道具の使用方法が確認できる方法…
一つ思い付いた。
まずは中華ソバを引っ掛ける。
「ピンのガードはやばいだろ?見た目が〇国人だしな。ヘタこかれたら50人も集めてるから困るんだよな… ごめんなさいじゃ済まないよ」
少し中華ソバも不安であったのであろう。
「やっぱりカ… どうすれば良いか?」
本来ならば、僕がやると言えば良い。
しかしクビを曲げる事すら出来なかった。
鞭打ちの症状と全く同じである。
一度の喧嘩で僕ほど体力を消耗する人間を見た事が無い。
「ガードは僕達の方でしてやる。道具の使い方を教えろよ」
中華ソバは嫌な顔をして言った。
「約束が違うヨ… 良いよ、ピンにガードさせるから…」
コイツ、馬鹿のくせにしぶといな…
「作り方が分からないとガードのしようがねーんだよ」
中華ソバは、何かを考えるように黙っている。
余りの詮索は疑いを強く招くように感じた。
仕方なく方向転換…
これが失敗であった。
この方向転換が、またまた道具の作り方を見誤らせる結果になった。
「だったら作り方は良いよ。けどガードはやってやる」
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