「漢方薬だヨ。喧嘩の後はこれが良いんだとヨ。料理屋のお礼だって」
いらねぇ…
僕は西洋の薬を信じてる…
でも言いづらい。
「さんきゅう…」
後で捨てようと思った…
サンキューをピンは理解したのか手まねで木の根っこをかじれと言う仕種をする。
え?
漢方って煎じて飲むんじゃねーの?
中華ソバに聞いた。
「かじるの?」
中華ソバが呆れたようにクビを振る。
「コイツ馬鹿だかラ…」
バァファ〇ンを下さい…
どうにかピンをごまかして作戦の確認をする。
ピンがレシート作りのブロック役をやる事に不安を感じた。
この日、開店三日目を向かえる大型店の開店時間は昼の12時である。
閉店時間は決まっていない。
店側の出したい金額を越えた所で閉店する形であった。
初日、二日目共に午後9時に閉店している。
東京の通常営業閉店時間は午後11時である。
この日の閉店予想時間は午後9時であった。
大型店の開店前に、二軒目の中型店のレシートを先に作る事が、前日の内に決まっていた。
中型店のレシートを、昼の12時までに300万円程作る。
一枚が3万円から4万円程度の小額に為るように頼んだ。
出来上がったレシートを直ぐにカウンターには持ち込まず大型店のレシートを次に作りに行く。
両店のレシートが、店側に疑われる事なく出来上がった所で両替開始である。
その後の様子を見て三軒目をやるかは逐次判断する。
両替、換金要員が50人程集まった事に依って、前回より間違いなく安全で簡単に出来ると予測していた。
一枚辺りの金額を下げる事に依って、レシートに打ち込まれた時間の不自然さは多少は消える。
朝の2時間程の間に、3、4万円分出る事は、有り得ない事では無いからである。
もしも疑わしげな動きを店側にされたら、持ち込むレシートを一人一枚づつにすれば良い。
両替要員の人数が多い為、一人が行く両替回数は少ないので、見た目で疑われる事もほとんど無いように思える。
問題は、レシート作りに全て掛かっていると思われた。
レシート作りが上手く行けば、両替をする人数が沢山いる以上、簡単なゴトである。
コメント