その後、中華ソバ達と細かい打ち合わせをして彼らと別れた。
電車で帰らせる。
もう体が限界だった。
車を1センチも動かして欲しく無い。
しかし、トイレを我慢するのも限界だった。
家に帰る積もりは、この時既に無い。
一度ベットに寝たら立てなくなる。
僕は自分の住家を手下に教えた事が無い。
ゴトの期間を通して、僕の住家を知っていたのは、妄爺と婆さんと良夫ちゃんと、唯一、源次だけである。
部屋に入れた人間は、妄爺と源次だけである。
部屋で寝込めば迎えに来る奴はいない。
その前に、手下に家まで送られる訳には行かない。
住家が知れる。
家の手前で車から降りて、家まで歩く事は絶対無理であった。
仕方なく、今日見つけたパチンコ屋の近くのコインパーキングに手下の車を停めさせる。
車で寝る事に決めた。
コインパーキングに停める直前に行ったトイレでは、体中が連鎖のようにツリ捲くり、一瞬気を失ったようになった。
外に出るまでに30分は裕に掛かった。
心配するツルッパと、手下を電車で帰らせ、手下に持って来させていた眠り薬を適量の倍飲んで、僕は車の助手席で眠りに落ちて行った。
夜は一瞬で明けた。
車の窓を狂ったように誰かが叩く。
目だけで外を見た。
ツルッパが半ベソで窓を叩いていた。
うわ!
なんだコイツ!
少し動くだけで体が軋む。
パワーウインドウのボタンを押して窓を開ける。
「死んでるかと思ったよぉ〜」
なんでやねん!
20分程、窓を叩いたが僕はピクリとも動かなかったと言う。
初めて飲んだ眠り薬が効き過ぎた。
ボンヤリする頭で思った。
今日は長い一日になる…
確かに風呂も入らず長い一日に為った。
しかしソレは、体の痛みとの戦いで、決してゴトは関係なかった。
午前9時…
パチンコ屋の開店1時間前には、中華ソバと馬鹿ピンを含む〇国人三人が近くのファミレスに到着した。
僕の手下数人も同じようにファミレスに着いた。
ちょっとやそっとじゃ負けない男も当然交ざっている。
作戦会議は駐車場の車の中で開いた。
先に中華ソバ達が車に乗って来た。
ピンが何か言って僕に小さな紙袋を渡す。
「なにこれ?」
そう中華ソバに聞きながら袋の中を見た。
木の根っこ…?
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