韓国人・○国人74

グシャっと言う手応えと共に、僕の右拳はレシ担男の頬骨の辺りに見事に当たった。

手を出しながらも僕は冷静だった。

失敗した事を知りながらの、右拳であった。

僕のパンチでは人は倒れない。

ましてや顔など殴ったのでは相手の怒りを買うだけであった。

掴まれそうになって、つい反応しただけである。

人の武勇伝などを聞くと、ワンパンチで相手を倒し、動けなくしたなどとよく聞く。

あれは嘘ではないだろうか。

人は、そんなに簡単に倒れない。

ましてや、動けなくなるなどマレである。

相当良いパンチが顎にでもクリーンヒットしなければ無理なような気がする。

強気な奴には、特にそうである。

それを数々の喧嘩で僕は経験していた。

舐められる見た目に、負けん気の強い性格と、生意気な口利きが、いらない喧嘩をよく生んだ。

だから、勝ち負けは別にして、喧嘩慣れはしていた。

ゴトとは一切関係ない知らない人との道端の喧嘩が絶えなかった。

知り合いと殴り合いになったのは、この時が初めてであった。

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レシ担男は案の定倒れなかった。

自分的にはノックアウトパンチの手応えであったが、当たった場所も悪かった。

タタラを踏んで堪えたレシ担男は先程よりも、物凄い顔をしている。

怒り頂点…

そんな顔であった。

頭の中を一つの言葉が巡り続ける。

やべぇ!やべぇ!やべぇ!

思う間もなくレシ担男は更につかみ掛かって来た。

先程よりも僕から冷静さは消えている。

かろうじて、目の前が白くなっていないだけであった。

なぜか興奮し過ぎたり、熱くなりすぎると目の前が白くなる。

何も見えなくなったりする。

つかみ掛かろうとするレシ担男に向かい、慌てて左拳を出した。

ペチンと口の辺りにカスッた。

最悪である。

頭の中の言葉が変わった。

うーわ! うーわ! やべー! やべー!

それからは目の前が真っ白である。

僕は前かがみになったのであろう。

首の後ろ辺りの服を両手でガッチリ掴まれた。

頭の中の言葉が変わる…

死んだ!僕死んだ!僕死んだ!

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