韓国人・○国人69

その後も数々の試練を乗り越えてピンは高級中華料理店の椅子に座り僕の目の前にいる。

ピンは〇国語で、中華ソバにしきりと話し掛けている。

僕の言った事など、全く聞いていないようであった。

「コイツ何言ってんの?日本語で話せって言ってんだよ。分かんねえのか? あ?」

中華ソバが慌てて言った。

「コイツ日本語あんまり出来ない。馬鹿なんだヨ」

馬鹿って…

そんなもん知っとるわ…

お前もだろが…

僕はもう一度聞いた。

「コイツさっきから僕のコト睨んでるけど何言ってんだ? 喧嘩売ってんのか?」

「違う、違う! なんでコノ日本人は料理を食べないかって聞いてるだけだヨ… 食べないなら食べて良いかって…」

イラッとした。

なぜこんな馬鹿を作戦会議に連れて来るのか意味が分からない。

僕はピンに食べろと言う合図をした。

ピンは、完全に可笑しいアクセントで、ありがとうを連呼しながら目の前の料理を食べ始めた。

その姿が滑稽で僕は笑った。

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僕が笑うと、ピンは少し恥ずかしそうに笑いながら、今度は〇国語で、ありがとうを繰り返した。

まあ…

罪の無い馬鹿だな…

どうでも良いや…

「コイツ何かさせんの?」

「はい。レシート作る時の見張り。コイツ〇国で1番馬鹿だけど喧嘩は強イ」

僕には余りピンが強そうには見えなかった。

人なつっこい笑い方が、そう感じさせたのかも知れない。

この時のピンは、まだ、中華ソバに使われるゴト師である。

学が無く、刑務所から出てすぐに日本行きを決めたピンは、日本語の基礎が全く出来ていなかった。

僕の前に現れた時は、日本に来て一年経っていたが、単語の会話しか出来なかった。

後に、日本語を喋る事が出来ない事が、ピンを更なる悪事へと導いて行く。

そこへ、リュウが絡んで行くとは、この時の僕は予想すら出来なかった。

嬉しそうに料理にガッツク、ピンを尻目に、中華ソバと作戦会議を始めた。

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