韓国人・○国人67

それらの話しをピンも横で聞きながら、クリッと大きな目を見開いて、いつも誇らしげな顔をしていた。

なんで得意満面?

1番なら、何でも良いらしい…

一つ、〇国の為に補足するが、ピンが暮らしていた〇国の都市部は、食い逃げなどする奴がほとんど居ない大都会である。

腹が減ったら金が無くても食う…

それがピンの思考回路であった。

食い逃げが度重なり刑務所に入った。

数年で出て来たが〇国にピンの居場所は無かった。

食い逃げを家族が恥たのである。

仕方なくピンは、日本に居る仲間を頼って国を捨てる事に決めた。

仲間の中に中華ソバが居た。

そこそこの稼ぎが有った中華ソバはピンの渡航費用を出してやった。

当然貸しである。

普通、都市部の〇国人はキチンとビザを取って飛行機で来日する。

しかし中華ソバが貸したお金は、ボロ船に乗れる程度のお金であった。

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ピンは、密航で日本に渡るのが普通だと中華ソバに言われて信じた。

船に乗る前に、もう一度〇国の母なる大地を振り返りピンは思った。

腹減ってんだけど、一日で着くかな?

願った事は、日本へ行ったら腹一杯食えるようになりたいであった。

ピンの命懸けの大冒険が始まる。

ポケットを探ると肉まんが二つ入っていたと言う。

持っている物はソレだけだった。

密航なので、当然一日で日本へ着く筈も無く、ボロ船は波間を漂った。

後半は、意識がモウロウとしたのでハッキリと覚えていないが、日本に着くまでに10日は掛かったと言う。

肉まんは出港後2時間でピンの胃袋に納まった。

死が猛ダッシュでピンを包もうとしていた。

出港5日目…

薄れゆく意識の中でピンは夢を見た。

それは、つかの間の幸せな夢である。

両手に肉まんを一つづつ掴んで、代わる代わる口の中に押し込む夢だった。

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