次の日、中華ソバに会って細かい話しを聞いた。
中華ソバは僕の思いとは裏腹に緻密な男であった。
ほとんどの作戦を自分で起てている。
中華ソバが言った、気になる事とは、狙う店の事である。
中華ソバは狙う店を既に決めていた。
その店の名前は、都内でパチンコをした事がある人間ならば、一度は聞いた事があるであろう大手のパチンコ屋であった。
店の名前を聞いた時に、僕は無理だと思った。
大手はセキュリティが厳しい事が常識であった。
更に、この店は、新規開店の店である。
新規開店ならば、1番新しい防犯設備を入れている事が予想された。
その開店三日目を狙うと言う。
「無理だろ… 防犯がシッカリしてる筈だよ」
すると中華ソバは得意げに答えた。
「レシート作りは、絶対上手くいくヨ。後は両替する人がどれぐらい集められるかだ」
なんだ…
コイツの自信は…
電話で聞いたが中華ソバは答えなかった。
僕が両替を受けるなら会った時に話すと言う。
そして作戦会議の日を迎えていた。
高級中華のお店の個室で中華ソバに会った。
僕に助けられた、御礼も兼ねていると言う。
はっきり言って好き嫌いの多い僕には迷惑以外の何物でもない。
得体の知れない食材を使う彼らの食い物は鳥肌が立つ。
案の定、出てくる料理は不気味であった。
巨大な魚のヒレを泥で煮込んだようなゼラチン質の料理…
その辺にも似た鳥が飛んでいるが、ソイツの巣のスープ…
シーラカンスに似た魚の煮込み…
ドブに住んでいたのか黒っぽいカニ…
ソイツのミソをススると言う。
野菜ではなく、雑草としか思えない草…
食えるとは思えない鳥…
なぜか、ソイツの、鳥肌の浮いた皮だけを食べると言う…
イジメか?
僕帰る…
てなる。
仕方なく2千円のチャーハンだけ食べた。
チャーハンが2千円って…
ボられとるがな…
近所の来々軒の、600円のチャーハンの方が絶対旨い。
馬鹿な奴らである。
来々軒のチャーハンについて語ってやろうかと思ったがやめた。
手を付けられずに冷えて行く料理に、場の雰囲気は悪い。
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