手下達が店員の追求を、忘れた、で乗り切れたのは、ルール変更直後だったからである。
店には、紙と一緒に出さない景品は換金しないと書いた、お知らせの紙も貼ってあった。
その貼り紙に、まだ効力が薄かったのである。
なぜなら、一般のお客さんも景品を持ち帰っている場合がある。
一般のお客さんを、疑う訳にはいかないと言う常識が、パチンコ屋にはあった。
ルールが浸透するまでのタイムラグ。
紙の無い15万円分の景品を、二人続けて持ち込まれる事が有り得ない事とは分かりながら、店側は換金を許す結果になった。
この時の店は僕達に負けた。
しかしルールが浸透して一年程のちに流行った景品偽造ゴトは、確実に防いだ筈である。
対策をしている店を、ゴト師は、全く相手にしなかった…
景品偽造ゴトの被害額を考えると、この時僕達にやられたゴトは、可愛い物ではなかったか…
それは知らない。
現在では、対策のやり方が複合して、ハイテク化している為、出来ないゴトである。
間抜けな店が存在するならば、それは僕の知った事では無い。
しかし数年前辺りから、間抜けな店を見かけた事は無い。
僕はゴトをやられる店は間抜けだと思っている。
パチンコにゴトが付き物である以上、防げないのは間抜けである。
世間の常識でいくと、やる奴が悪いと言う。
確かに、そうである。
しかし現実にゴト師は存在するのである。
良い悪いなど関係無い。
ボンヤリしていればスキを突かれる。
いくら口でゴト師を責めた所で間抜けはやられる。
防ぐ事が出来ないのであれば仕方ないとも思う。
しかし、どんなゴトも受け付けない店は、この当時から、数少ないがあった。
ゴトの情報を先取りして自らがゴト対策を考える。
決して対策方法が他所から入るのを待ったりしない。
防犯も一つの仕事だと言う現実をシッカリと捉えたパチンコ屋である。
これらの店は、僕が知っている限り、現在では全て大手と言われるパチンコ屋になっている。
逆に、この当時大手であったが、ゴト対策に力を入れず、現在では縮小しているグループもある。
このレシートゴトが、直接の原因になったと、僕が思っている店がある…
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