しかし外部へ換金所を頼んでいた事でお金の補給がスムーズでは無かったようである。
終いには2万円ほどの換金が全部千円札になった。
いくらなんでもヤバイのか…
分からなかった。
少し待てば補給されると思い手下達に待機の指示を出した。
閉店際のお客さんの集中を考えれば、このままであるはずが無い。
案の定閉店30分ほど前になると白シャツが現金が入っているらしき袋を持って換金所に入ったと言う。
しかし同時に三人の店員が換金所の前に張り付いた。
そして両替するお客さんに、どの台で出した景品かを一々聞き始めた。
それを報告した手下三人はビビっている。
そこまでするとは思わなかった。
店側も必死である。
ある程度被害額を掴んだのであろう。
換金所にお金が無くなった事で今現在換金されている事にも気付いた。
聞き取りに出ている店員の内訳を手下に聞いた。
一人オバサンが交ざっていると言う。
僕の女か…?
その内の一人はナイスガイでは…?
昼間の二人を呼び出して面通しをさせている…?
両替した人間が換金までしている所を押さえられたらとりあえずの逮捕は出来る。
警察に突き出して証拠になるビデオの録画テープ等を提出し、ゴト師としての証明をして貰えば良い。
警察が僕達に自供させられるかの勝負になる。
言い抜けの難しい証拠ビデオを突き付けられ、自分がゴトをやったと認めれば僕達の負け…
その証拠をひっくり返す言い訳をして、罪を認めなければ僕達の勝ち。
頑なにシラを切ったり、トボケるだけでは警察は裁判にまで持ち込むであろう。
裁判に持ち込まれたら、二ヶ月間は、警察署の豚箱や拘置所に泊まる事になる。
証拠をひっくり返す言い訳はある。
知らない人から店の外でレシートを買ったと言えば良い。
偽造と知らずにレシートを人から買う事は罪にならない。
善意の第三者と言う奴である。
しかし警察は、そんな言い訳は絶対信じない。
取り調べは苛烈になる。
それでもシラを切り通せば裁判で負ける事は無いであろう。
警察は裁判に掛けるか釈放するかの判断をする。
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