景品はまだ残っていたが、冷し中華達と夜までファミレスに居るのはウザイので、取り分を渡して帰らせた。
渡した金額は、160万を少し越えたぐらいではなかっただろうか。
この中から中華ソバに、いくら払うのかは知らないが、冷し中華が手にするであろう金額は、100万を多分軽く越える。
楽しやがって…
カタコトのくせに…
許せん奴である。
僕も、早く同じ道具を探して、冷し中華以上に稼ごうと思った…
許せんのは冷し中華か?
僕か?
両方だ!
しかし、罪の意識は、ゴトの期間を通して全くわかなかった。
冷し中華達が帰って直ぐに、ツルッパが手下三人を連れてやって来た。
三人は直接のゴトなどは出来ない怖がりである。
ギンパラの電波ゴトの打ち子などをしている。
払う金額は当然安い。
残った景品は100万円分を切っていた。
一人数回を、のんびりやれば楽に終わる。
例え、一気に交換所に持ち込んだとしても、店側も警察も何も言えない。
遊びである。
夜の7時を過ぎると、換金所の前に立っていた店員は居なくなった。
無駄に気付いたのであろう。
今頃はカメラの録画を見直して、ゴト師の特定をしようとしているのであろう。
しかし、どんなに録画を見直しても、疑わしい奴らは発見出来るが、確定には到らない。
現行犯では無いからである。
ましてや、レシートを作った中華ソバと、ゴト師と思われる奴らの繋がりは、カメラに写っていない。
だからと言って適当な換金を僕はしない。
出来るだけ静かに姿を消したい。
余り店側を過度に刺激すると、カメラの録画から取り出した僕達の写真を、玄関口に貼られたりする。
不思議な事に、変造カードをやって、写真を店内に貼られた事は、一度もない。
誰一人、居なかったように記憶する。
しかしギンパラの電波ゴトは貼られる奴が沢山居た。
自分で気付けば剥がして帰る。
仲間に気付かれた奴は笑い話しのタネになる。
「剥がして来てくれた?」
「馬鹿! あんな面白いもん剥がすか!」
こんな感じであった。
現行犯…
法律が裁き切れない悪事は確かに存在する。
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