少しすると続々と手下達がファミレスへ現れた。
受け取ったお金から、取り分の3割を渡して帰らせる。
10万を越える奴も居れば、5万前後の奴もいる。
怖がった、一般ピーポーを連れて来た手下には、二度と彼らを連れて来るなと伝えた。
最後の奴が帰り、良夫ちゃん達が来た。
残った景品とレシートを持っている。
「良夫ちゃん… 残ったレシート買い取りだよ」
良夫ちゃんは、この世の終わりのような顔をした。
面白いので、直ぐに嘘だとは言わなかった。
僕を走らせた罰だ。
席に、一瞬座った良夫ちゃんが、すぐに立ち上がって、行ってきますと言った。
ん?
どこ?
「トイレ?」
「両替です」
え!?
「まてまて! 嘘だよ!買い取りじゃ無い!」
餌を目の前にしてヨダレを垂らす犬のような顔をして喜んでいる。
どんだけやねん…
本当に行く可能性は、かなり高い…
中華ソバが良夫ちゃんと婆さんを見て驚いている。
「二人もレシートの両替やってたカ?」
見張りか何かだと思っていたと言う。
「うん。やってたよ。1番両替したんじゃないか。ハーネスで100回出したりもしてるし…」
良夫ちゃんを生きる伝説に育て上げたのは実は僕だ。
周りのロクデナシどもにイジメられない様にしてやろうと思って言い触らした。
その内、聞いた人間の驚く顔が見たくて言い触らすようになった。
ハーネスや裏ロムでの百回とは、それだけ驚かれる事であった。
ほとんどの奴らは、話しが付いた店で出したのかと聞いて来る。
付いていないと言うと、驚きは驚愕に変わる。
見た目と根性のギャップに驚くのである。
この時も中華ソバは目玉を剥いた。
「信じないなら今度リュウに会った時、聞いてみな。見てたから」
あの時リュウは近くで見ていた。
中華ソバは信じたようである。
僕は更に言った。
「こっちの、お母さんはカードで捕まった奴を、事務所に乗り込んで二回助けて来た」
「アイヤァ〜!!」
驚愕は絶叫に変わった。
軽い世間話しだったが、この話しをした事で、婆さん達ご指名の、数々の仕事が舞い込むようになった。
使えるんだか、使えないんだか、分からない二人であった。
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