後は景品を換金するだけで終わる。
しかし、一人の男の魔法が解けた…
そう!
ご存知、良夫ちゃん…
疲れるわ!
良夫ちゃんは、最後の80万の両替に、参加させろと頑なに言い張っていた。
僕は普段よりキツく止めた。
良夫ちゃんが疑われる事は、自分一人の問題では無い。
全員に確実に影響を及ぼす。
「絶対捕まりませんから〜!」
そう良夫ちゃんは言った。
嘘だ!…
全く根拠がねー!
ただのアンタの希望だ!
絶対捕まる…
僕は、そう判断した。
当然であろう。
100パーセント、ナイスガイに、顔を覚えられている。
身内が死にかけていた男が直ぐに高額のレシートを持って両替に来る…
有り得ない!
行けば自殺と何も変わらない…
ボケの種類に自殺は聞いた事がない。
タイマンに持ち込んで、コブシで言う事を聞かせようかと思った。
どうせボケているのだ。
殴られた事も忘れる…
しかし、それは思っただけである
思うだけなら、良夫ちゃんなど100回は殺している。
この時は、良夫ちゃんを釣るエサを僕は持っていた。
時間の印字が不自然な、冷し中華に返却する予定の、50万円分ほどのレシートである。
しつこい良夫ちゃんに、そのレシートを見せて言った。
「良夫ちゃんと僕の分は取ってあるから。50万分。後で二人で半分づつやろ。それで良いだろ?」
なんだよ〜
あるんじゃねーかよー
良夫ちゃんの顔は、そう言っていた。
こんなレシートなど、先程良夫ちゃんに見せた段階でもヤバイ代物である。
後になれば為る程ヤバい。
しかし良夫ちゃんは、カウンターと換金所が休憩に入った途端に騒ぎ出した。
魔法の効力が切れたのである。
「休憩終わったら25万円分下さい」
う〜わ…
魔法が切れた以上、説明せねばなるまい。
使えない理由を言った。
「このレシート印字の時間が不自然だから使えないんだよ…」
だからなんだと言わんばかりの顔である。
僕は、たじろいだ…
コメント
本当に楽しみにしてました。何らかの形で必ず完結させるとの言葉は本当だったんですね!感動笑
少しずつでも良いので完結まで頑張って下さい!
因みに僕勉強してましたも続きが気になります…
大井さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
昔からの読者の方から応援していただけるのは本当に嬉しいです。
勉強の方は今のところ更新予定はなく、僕悪い…が終わったら考えようと思っています。