新しい道具を持っていると言うだけで簡単に上下の関係が逆転する奴らに僕と同じ事は通らない。
安全を蹴り飛ばして、やらせた中華ソバが、捕まるような事があれば周りが黙っていない。
中には冷し中華の昨日の親分も居るであろう。
誰かが捕まれば即席の上下関係など簡単に消し飛ぶ。
それが一人の欲の為だと知れたら命にすら関わる。
助かったのは、中華ソバだけでは無かったのである。
中華ソバがコンビニに着く前に話しはマトまってしまった。
後はレシートを受け取り両替の割り振りをするだけである。
僕はコンビニへと急いだ。
先にコンビニに付いていた中華ソバからレシートを受け取った。
僕にお礼を言っている。
近づくな…
ツキが逃げる…
そう思った。
レシートの割り振りをしていると、一般ピーポーの中で、怖いと言っている奴が二人いた。
「お前らもう良いや。帰れ」
二人は突然のクビ宣告に驚いている。
大丈夫だ、やれると言い出したが断った。
景品を換金所に持って行って、お金に変える奴が必要だった。
捕まる危険は、限り無く少ないので、安く使える奴が良い。
両替と換金との同時進行は危険を感じていたので誰にやらせるか悩んでいた。
「怖いの安いの言う奴は使わないんだよ。アイツらに聞いて来なかったのか?」
そう言って、顎で、一般ピーポーを連れて来た手下の方を差した。
「聞いてる…」
「両替では、もう使わない。換金やるか?」
二人は喜んだ顔をしている。
「やれるだけやって1万だけどな。捕まりゃしねえから。どうする?」
今度は顔に落胆が出た。
忙しい事である。
今回換金を、やる、やらないに関わらず、二度と二人は使わない。
僕の中では、どうでも良い奴らになっていた。
二人は渋々やると言った。
「おい… 頼んでんじゃねーぞ。嫌なら帰れ」
「いや… やらせて下さい」
慌てて彼らはそう言った。
「金、持ち逃げすんなよ。殺すかんな」
ヘタれ二人に、言い返す根性など、ありはしなかった。
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