韓国人・○国人32

早よ行けや!

僕は良夫ちゃんを、店員から見えないように、目で殺す積もりで睨んだ。

いかん…

冷静にならなきゃ…

良夫ちゃんはヒルんでいる。

僕は顎で、ドウゾと言う意思を良夫ちゃんに伝えた。

婆さんと僕を抜いて、良夫ちゃんは両替を終えた。

続いて僕と婆さん。

こうして両替自体は疑われる事なく、3人とも無事に終わった。

店員の優しきナイスガイは、僕と婆さんに、何度も丁寧に謝罪と、お礼を言った。

僕は両替を終えて直ぐに店から出る事なくトイレに向かった。

直ぐに外に出て良夫ちゃんに会ったのでは怒鳴り付けてしまう。

冷静になる時間が欲しかった。

頭に血がノボれば判断が狂う事は経験で知っている。

表に見せる部分は、どんなに興奮していても構わないが、中身は冷静でなければいけない。

氷よりも冷たく。

でなければドジる。

自分をコントロール出来る、強い精神力が欲しかった。

少し経つと血が冷えた。

中華ソバの事を思い出した。

あ…

見なきゃ…

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トイレを出て先程見えなかった計量機の一つに向かう。

二つの計量機の内、こちらがゴトをするなら楽だろうと思っていた。

離れた位置から計量機が見える所まで来た。

この時、携帯のバイブが震えていたが、ツルッパが喫茶店に着いた事を知らせる電話だと思い無視した。

歩きながら計量機の方を見ると、計量機の横に中華ソバが居た。

僕の所からは横顔が見える。

セカンドバックを、両手で腹の前に、不自然な形で持っていた。

中華ソバを視界に捉えたのは2、3秒である。

しかし僕には何をしているかが何と無く想像出来た。

電波を計量機に当てている…

僕は立ち止まらずに、そのまま店を出た。

充分である。

リュウに、電波で計量機を操作してレシートを作る道具探しをさせる。

これだけ分かっていれば道具屋も隠す事は無いと思った。

情報をハッキリ知られていれば、隠さずに、仲間に入れて口止めするのが常識であった。

後に知る…

電波ゴトと思い込んだ僕の判断は誤りであった。

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