韓国人・○国人31

良夫ちゃんに守って貰おうなど、やはり考えが甘かった。

作戦は恐ろしい結末を向かえる。

僕がレシートを出すタイミングで、良夫ちゃんが携帯に話し掛ける事にしていた。

そこは先程と同じである。

しかし今回は店員に渡す金額が低い。

前回女性店員に掛けたようなプレッシャーは必要ない。

軽く慌てさせて急がせるだけで良い。

両替が続く以上、良夫ちゃんが目立つのも良くないのである。

方法は、良夫ちゃんに、店に入る前に説明してある。

「僕がレシートを男に渡すタイミング辺りで、携帯に【すぐ行きます!すぐ行きます!今カウンター前にいます!】って、軽く男に聞こえるように言えば良いから。分かった?」

「分かりました」

そう言った…

良夫ちゃんは、間違いなく、分かりましたと言ったんだ…

僕は、復唱させずに信じてしまった…

普段なら、こんな失敗はしなかった。

考える事が多過ぎて僕は少し疲れていた。

そしてカウンターの前に立った。

僕はレシートを胸ポケットから取り出した。

そのタイミングで良夫ちゃんが声を挙げた。

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「産まれるのか!?」

良夫ちゃんの声の大きさに僕も店員もビクッとした。

誰がやねん!

振り返って怒鳴り付けたい衝動に駆られた。

グッとコラえる。

更に過剰な演技は続く。

「パパはどうしたんだ! 向かってるのか!?」

何のドラマだ…

頼むからやめてくれ…

僕はレシートをソッと店員に渡した。

受け取った店員は、全く僕を見ていない。

おもいっきり良夫ちゃんを見ている。

手も止まっている…

良夫ちゃんの過剰な演技は最後の一言で締めククられた。

「それじゃ死んじゃうじゃないか!すぐ行くから待ってろ!」

店員は優しい男であった。

突然僕に謝った。

「すいません!あの方先に両替させてあげて良いですか?」

「どうぞ…」

他に何と言えたであろうか…

婆さんにも男は聞いた。

「どうぞ…」

なぜか良夫ちゃんは、僕と婆さんを抜く事になった。

抜く事がマズイと思ったのであろう。

良夫ちゃんの挙動が怪しい。

抜く事を遠慮したりしている…

コメント

  1. ホースケ君 より:

    良夫ちゃんまた余計なことを笑
    緊張感のある中でこういったアドリブはまずいですよね。大好きなシーンです。