「誰?さっきのオバチャン?」
「うん」
見かけないとツルッパは言った。
ツルッパに店員の切り替わりを知らせる役をやらせようと思いついた。
「ちょっと僕、あの女と話しがしたいんだけど、換金した金でパチンコしてて良いから、カウンターに出て来たら教えてよ」
「え?何話すの?告るの?!」
そう言ってツルッパは大笑いした。
後で泣かす…
そう決めた。
「頼むぞ!」
面倒なので電話を切った。
手下達の所に戻り、軽く状況を話して4人にはコンビニで待機するように言った。
中華ソバが新しいレシートを作ったら又すぐに両替に行って貰うと告げた。
この段階で残ったレシートは90万円程であった。
金額的には残り少なくなって来ていたがレシートの内容は危険を増している。
一枚で高額のレシートが半数を締め、それらがどれも時間的に不自然な10時台に作られた物であった。
店側に疑われていれば即座に捕まる…
ある程度安全なレシートを先に両替して行った結果である。
今まで両替していたレシートは比較的楽だったと言う事である。
レシートを店側に収納される以上、不自然なレシートはなるべく避けたかった。
当然、後になってパチンコ屋に持ち込む方が危険な事は理解していた。
疑われるのは後半の可能性が高いのである。
しかし冷し中華達が作ったレシートは救いが無いほど不自然な物が多過ぎた。
なのでレシートをハッキリ二種類に分けた。
不自然な種類…
どうにか言い訳出来る種類…
そこに安全な種類などは無い。
そして不自然なレシートは手元に残そうと考えた。
出来れば両替しない。
新しいレシートを作らせる事が出来れば何も問題無いと思っていた。
なぜなら僕達は必ず最後には誰かが貧乏クジを引く。
そこまで行く。
それが逮捕に致るか助かるかは分からない。
しかし確実に危険な目に遭う。
その時、余らせたレシートに対して冷し中華は文句を言うであろうか?
言えない…
いや…
言ったら殺す。
しかし、そんな事にならない事を数々の経験から僕は知っていた。
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