その筈だった。
しかし10分経ってもカウンターの店員は男のままであった。
やばい…
長い休憩か?
女性店員がカウンターを離れて20分は経っている。
皆が焦った。
今カウンターに居る男の店員は、すぐに女性に替わると信じ込んで、無理矢理な両替を全員がしてしまっている。
10分少々の間に両替した金額は70万円を越える。
バレなかったのが不思議なぐらいである。
アイデアを出した手下から罰金を取ろうかと考えた…
しかし褒美が500円だったので取れないであろう。
器の小ささもバレる。
「替わらんな… どうするか…」
行ける奴を募った。
良夫ちゃんと婆さんが直ぐに手を挙げた…
アンタらには聞いて無い…
聞かなくても分かる。
手下達4人は緊張した顔をしている。
行かせるのは不安であった。
レシートの残金は100万少々。
残り時間は、レジの締めが4時半から5時の間に行われると考えると1時間。
強行突破か細々行くか…
全員に待機させて、僕は集まる可能性のある、新手の手下達に電話を掛けた。
二人程直ぐ着くと言っている。
とりあえずソイツらにやらせて様子を見る事にした。
中華ソバは相変わらずレシートを作りに来ていない。
レシートに印字されている時間さえ不自然で無ければ、危険ではあるが今居る奴らでも行ける。
冷し中華に電話を掛けた。
「何やってんの?レシートは?早くしないと厳しくなるぞ。人も呼んだしよ」
「いま行かせるザンス」
「早くな!」
そう言って電話を切った。
レシートの出来上がりを待っている時間は無い。
10万円程のレシートを持ち、僕はパチンコ屋へと向かいながらツルッパをパチンコ屋へと呼び出した。
電話を切らず、そのまま僕は両替に向かう。
5万円程のレシートを胸のポケットに移した。
ホールに入りカウンターを見ると、先程と変わらない男であった。
ダメだな…
女は、1時間の休憩か、帰ったな…
ツルッパと適当な話しをしながらカウンターの男にレシートを渡した。
この時僕は、疑われても仕方ないと思いながら男の店員をジックリと観察した。
コメント