早変わりだな おい…
僕はカウンターにユックリ近づき、女性店員が近くに居ないか確認した。
居ないな…
レシートを出しながら店員に聞いた。
「今何時ですか?」
時刻は3時を廻っている。
レシートゴトを始めて1時間は過ぎている。
休憩のタイミングが読めなかった。
景品を受け取り婆さんの待つ所へ向かう。
また手を振っている…
やめろ…
泣くぞ!!
呆れを態度に出さないように婆さんに言った。
「行ってきて良いよ。景品持って来てね」
はいと言って婆さんはパチンコ屋へとノンビリと歩き出す。
走れ…
モタツくな!
そう心が叫んでいた。
婆さんは店に入って数分で出て来た。
手にはビニール袋が握られている。
また手を振られては敵わないので僕は少し隠れた。
しかし見付かって又手を振られた…
言うだけ無駄なので放っておく。
続いて良夫ちゃんを向かわせる。
彼はシッカリ限度額の10万円を、残念そうに握り締めていた。
良夫ちゃんも無事に店から出て来た。
しかし彼は僕達の方へは向かわず換金所へと向かった。
一人ぐらい換金してしまうのは構わないのだが、良夫ちゃんが換金所に持ち込む金額は誰よりも高額である。
後で少し言おうと決めた。
珍妙な返答を聞くのかと思うと、少し疲れが僕を襲った。
良夫ちゃんを待たずに婆さんを連れて手下の所へ行った。
レシートの束を持って来させた手下からレシートの束を受け取り店へ向かわせる。
4人が幾らづつ持っているのかを聞くと、全員が10万円に近かった。
良夫ちゃんの影響が色濃く出ている。
強気が良い結果を生むのか、悪い結果を生むのかは分からない。
しかし、残りの金額を考えると心配は要らないように、この時は思えた。
僕の両替から、最後の手下の両替までに掛かった時間は、10分を少し越えた。
順番が最後になった手下は、慌ててカウンター前に駆け込んだが、店員はまだ男のままであった。
かなり無理矢理な両替劇になったように思う。
10分ほど時間を空けて、女性店員に戻った所で次の両替を行う。
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