道を変えてパチンコ屋の駐車場に入ると、ツルッパが離れた位置の換金所から、お金を受け取り出て来た所だった。
会えば説明が面倒なので、やり過ごす。
景品を、お金に変えるのは、いつでも構わないと僕は思っていた。
完全にゴトにより抜かれた分だと店側が感じても換金を止める事は出来ないであろう。
証拠は消せる。
景品に変えた人間と違う人間が換金所に行くだけで、ゴトとの関連は無くなるのである。
最悪、譲り受けたと言えば善意の第三者である。
そんな事には為らないと確信していた。
しかし一応、手は打った。
新たに呼んだ手下達に、レシート交換の仕事が無ければ、換金をさせれば良いと考えて呼んだ。
何よりも景品を直ぐにお金にする事は危険であった。
下手をすれば換金所から、お金が無くなる。
無くならないとしても、普段より多い換金に、換金所の人間が不審を感じる事が危険である。
それは、カウンターと換金所の二ヶ所で疑われる事を意味する。
可能性の高い危険は、避けるのが当然であった。
ツルッパの後に、自分で両替しようと思っていた6万程のレシートを確認した。
もうちょっと出来たな…
失敗した…
取りに戻る時間は無い。
店内に入りカウンターを見た。
今までと同じ女性店員が居る。
休憩取り終わったのか?
これからか?
全く分からない。
もうじき婆さんが来る…
休憩がこれからなら、店員の切り替わりにカウンター前に居る様な事態は最悪である。
二人の店員に意識される。
どうする…
婆さん止めるか?
休憩が終わっていれば時間のロスになる…
婆さんを疑われるのは後半に響く。
止める為に店を出た。
コンビニの方角に向かうと、婆さんと良夫ちゃんがノンキに手を振っている。
振るな…
手!!
二人の危機感は、この段階でもゼロであった。
婆さんに近寄り僕は言った。
「ここで少し呼ぶまで待ってて」
返事を確認してホールへ戻った。
カウンターの中を見ると店員は男に代わっていた。
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