中華ソバにレシートを作らせるより、先に両替だと頭を切り替えた。
「よし!休憩の時に皆で行くぞ。次は婆さんだから15万分のレシート持たせてパチンコ屋に来させて。他の奴らもレシート持ってパチンコ屋の近くで待機しろ。金額は好きに決めて良いけど、あんまりデカイのは駄目だからな。それとパチンコ屋の近くに来たら一カ所に固まって待機したりすんなよ。目立つ。店員が休憩に入ったら僕が連絡するから急いで準備な。分かったか?」
「分かった!」
「それと良夫ちゃんは10万までって言っといて。残りのレシートは、お前持って来て」
返事を確認して電話を切った。
すぐにツルッパに電話を掛ける。
電話から聞こえる騒音はパチンコ屋の物であった。
「今どこ? 両替終わった?」
ツルッパはノンキに答えた。
「今両替してる。すぐ戻るよ」
「カウンターの前か?」
そうだとツルッパは言った。
すぐにカウンターが女性店員か聞きたかったが、ツルッパを緊張させる訳にはいかない。
変身してしまう。
世間話しで引っ張る…
「お前、喫茶店で何食った?」
「コーヒーだけだよ。あそこのコーヒーはサイフォンで落としてるわりに上手くないよ。安い豆だな」
知らんがな…
コーヒーなんぞ、何でも一緒だ…
このツルッパゲオタク野郎…
こっちはソレ所じゃねー!
携帯からパチンコ屋の騒音が消えた。
「カウンターの女、可愛いかったろ?今も居た?」
「居たけど可愛くねーよ! ババァじゃねーか!」
居るか…
「ナマ言うなハゲ。喫茶店戻ってろよ。後で行くから」
僕はツルッパと途中で出くわさないように道を変えてパチンコ屋へと走った。
多分休憩はこれからだ…
10分有れば全員一度は両替出来る…
やり過ぎかどうかの判断はつかなかった。
残りのレシートの金額と、レジを締める可能性を考えると、ここで一度の無理は仕方ない事だと思った。
僕の勘は、この無理は通ると言っていた。
目をつむって、自分を信じる事に決めた。
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