「僕ここで飯食って車戻るんだけど知り合いにレシート交換頼まれたんだよ。時間無いから行ってきてくんない?」
そう言いながら2枚で8万円のレシートをテーブルの上に置いた。
「良いよ」
知り合いと聞いて、どう納得したのか、何の疑いも無くツルッパはレシートを持って立ち上がった。
「ここに戻って来てよ。僕が、戻った時居なかったら電話して」
「え?飯食うんだろ?すぐ行ってくるよ」
そう言ってツルッパはゴトに向かった。
少し哀れに思えた。
ツルッパが喫茶店を出て、僕も直ぐに店を出た。
パチンコ屋へ向かう。
途中コンビニで待つ手下に電話して状況を聞いた。
三人目の手下が両替を問題無く終わらせたと言う。
中華ソバが僕の車から降りたかを聞いた。
レシートを作りにそろそろ行っているハズである。
「ん… 車から誰も降りてませんよ」
そう手下は言った。
何やってんだよ…
ビビッたのか?
両替をしながらレシート作りを観察してやろうと思っていた。
ここで手下が、一つ両替が簡単になる方法に気が付いた。
「カウンターの女、休憩取るんじゃないですか? 普通パチンコ屋は1時間に一回10分ぐらい休憩取りますよ」
そうである。
確かに休憩を取っている。
サンゾクでもタケコブタでもタバコ休憩だと言っていた。
両方の店では1日一箱タバコを店員に無料で配っていた。
タバコを吸わない人にはジュースを配る。
それらを持って休憩に入る。
他のパチンコ屋でも当たり前に見る光景であった。
僕は全く気付いていなかった。
「確かに全部の店で休憩取ってるよな?この店も取るよな?」
「取るんじゃないですかね〜」
そう手下は言った。
カウンターの人間が替わる。
それは紛れも無い一瞬のチャンスであった。
僕はアイデアを出した手下に言った。
「アイデア料で500円あげるよ。感謝しろ!」
「安っ!」
あげんのやめようと決めた…
レシートゴトを始めてから、まだ女性の店員以外がカウンターに立った事は無かった。
そろそろじゃないか?
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