嘘で行く…
「人いっぱい集めるからレシート作ってくれよ。一人一回づつやらせるから。作れば作っただけ両替出来ると思うぞ」
冷し中華は嫌そうな顔で言った。
「今あるレシート全部使い終わってからザンスよ」
この野郎…
馬鹿のくせに、僕に生意気な事言うな…
僕はレシートを作る役の中華ソバを見ながら言った。
「コイツ根性あるのか?店が疑い始めてからレシート作れんのか?人集めてから出来ませんじゃ困るぞ」
見た目が〇国人である以上、疑われてからのレシート作りなど根性の問題ではなく、出来やしない。
その証拠に中華ソバの顔には脅えが見える。
冷し中華には新しいレシートを作らせる気が無いように感じた。
今あるレシートを換金出来れば満足なのであろう。
僕は冷し中華を相手にせずに中華ソバに聞いた。
「お前、安全な今のうちにレシート作るのと店員が警戒してる時レシート作るのどっちが良いの? 人を集めたら絶対作って貰うよ」
中華ソバは冷し中華の様子を見ている…
「お前に聞いてんだよ。危ないのお前なんだよ!冷し中華は、関係ねえだろ。後で出来んの?出来ないの?」
中華ソバは、後では出来ないと言った。
「出来ねえんじゃん。根性ねえな… 道具貸せよ。僕が作って来てやるから」
冷し中華はギョッとした顔をした。
「駄目ザンスよ!作るの難しいよ!」
嘘つけ…
馬鹿に出来て僕に出来ない事なんかねぇ!
しかし僕にはレシートを作る気などハナから無い。
危険な分損だ。
「じゃあ今すぐ作ってくれよ!早くしないと損するぞ!」
人を使ってゴトをやらせているだけの冷し中華には状況が見えない。
中華ソバに少し危険な思いをさせれば儲けが増えると考えるのは至極当然であった。
「分かったザンス。作らせるよ。でも作ったレシートは全部両替してくれなきゃ駄目ザンスよ!」
アホか?
そんな約束するだけ無駄だ…
なぜなら僕は馬鹿との約束など守らない…
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