韓国人・○国人16

僕は半ば観念してカウンターの方に体を向けた。

慌てた感じの女性店員が、手下の景品を袋に入れている所であった。

手下と僕のレシートの玉数は常識の範囲である。

僕も問題なく両替出来た。

女性店員の顔を、近づいてからは見なかったので、彼女が僕をどう思ったのかは分からない。

景品を僕の手に渡して彼女は言った。

「お待たせしてすいません」

「いや…」

それだけ言って僕はカウンターを離れた。

絶対顔覚えられた…

終わった…

そう思いながら。

すぐにカウンターから見えない列に紛れ込んで店の外に出た。

頭の中では、僕自身が両替をしづらくなって、いくらの損害になるかを計算していた。

ザッと計算すると結構な金額になった事に気付いてヘコんだ。

道路の先を見ると、手下が景品の入ったビニール袋を軽く振りながらコンビニ方面に歩いている。

良夫ちゃんは既に見えない。

パチンコ屋から見えない位置で僕は手下に追い付いた。

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後ろから声を掛ける。

「おい、カウンターの奴、良夫ちゃんのレシートじっくり見てた?見てないだろ?」

「全然見てないよ。なんか大分慌ててたよ。俺の事も全然見なかったし」

そうか…

「僕の事は?」

「めちゃくちゃ見てたよ!」

めちゃくちゃかよ〜

死んだ…

泣きそうになる。

良夫ちゃんを店の前で大きな声で呼び止めるのが正解だった…

一度渡したレシートを引っ込める。

しかし、それをすれば周りに僕がビビッたと思われる。

それは僕の中で何より許されない事であった。

あの時、良夫ちゃんを呼び止める大きな声は出なかった。

失敗は、20万のレシートを、良夫ちゃんに煽られて、渡した僕の判断にある…

このゴトを潰さないで済んだ事に満足するしか無かった。

まあ良いや…

手下達から抜けるし…

「良夫ちゃんは?」

当然コンビニに先に向かっていると思っていたが聞いた。

「換金所の方に行ったよ」

え?

なんで?

すぐに気付いた。

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