〇国人達が既に疑われ掛けた事を言った。
「アイツらと同じ人種だと思われたら、それだけでヤバいからな… 必ず自分が日本人だとカウンターの奴に分からせろ。簡単なのは携帯で仲間と話しながらカウンターの前に行くんだ。カタコトじゃ無いのが伝われば良い。疑われたのも僕達に伝わり易くなる。でも毎回じゃ駄目だ… 最初と、自分が疑われて来てるかなと思った時だけだ。それと、店員の目を絶対見つめたりするな… 人は目で顔を覚える。恐怖も目に出る… レジの上のサイコロキャラメルでも眠そうな目で見とけ。景品を受け取ったら真っすぐ外に出ないで人込みの中を通って外に出ろ。真っすぐ出るとカウンターの奴に後ろ姿を観察される。それに、帰ると思われない方が後で優位になると思う…
なるべくカウンターの店員のイメージに残らないように動け。何回も交換を、やるって事を忘れるな。分かったか?」
四人は、分かったと言った。
婆さん達とは違うので大丈夫であろう…
他に何か疑われない方法が有るかを四人に聞いた。
今は、まだ分からないと彼らは言った。
何か思い付いたら全員に知らせる事を約束させた。
更に、完全に疑われて逃げ切れない場合の切り抜け方を伝えた。
「疑えば店員は、どの台で出したって聞いて来ると思う。いきなり取り押さえたりは多分しない。さっき10回以上出てる、客が座って無かった台を見て来た」
そう言って、台番号と機種が書いてある紙を見せた。
「この台番号と機種を覚えておいて好きな台を言ったら良いよ。でも、これを言ったからって助かる訳じゃないぞ… 確認に店員が向かったりすれば逃げるスキが出来るだけだ。どんなに追い込まれても、態度には絶対出すな。そうすれば必ず助かる」
手下達は信用しきれない顔をしている。
そりゃそうだ…
僕の適当な思い付きなのである。
自分でも正解かどうかは分からない。
理屈など関係ない…
ツキの無い奴が、危険な目に遭い、捕まるだけなのである。
「今のは参考までだよ。自分で考えてやりな。ようは捕まらないで換金出来れば良いだけだ。無理だと思ったら、レシートなんか、ぶん投げて逃げろ。分かったか?」
彼らは分かったと言った。
残りのレシートの金額を伝えた。
「いくらづつ持って行くかは自分で決めろ…」
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