当然嘘である。
何の問題も無かった。
店員の切り替わりの時に行われる、レジのシメさえ、くぐり抜けられたら、300万などでは無く、もっと抜ける。
今の時間は午後2時。
5時に店員の切り替わりか…?
その時にデーター的にバレるのかな?
それだけが心配であった。
冷し中華などビビらせておけば良い。
僕はまだ、取り分七割を諦めた訳では無い。
レシート交換が後半に差し掛かった時に、更に脅かせば七割で多分納得させられる。
敵は店だけで無く、僕達以外の全ての命有る者達であった。
「出来ないザンスか?」
言葉のナマリ方なのか、少し僕を馬鹿にしているように感じる…
ん?
今、僕を馬鹿にしなかったか…?
なんか分かりづらい…
まあ良いかと思った。
「とりあえずやらして見るよ。レシート作る用意だけはしといてね」
それだけ言って車を降りた。
良夫ちゃんの車に乗る。
すかさず良夫ちゃんが聞いて来る。
「何やるんですか?」
「まだ… なんか遅れてる。ツルッパは危ないゴトかも知れないからやらせないぞ。ちょっとその辺で飯食ってろよ。邪魔だから」
「邪魔ってなんだよ!」
そう言ってツルッパはふて腐れた。
「じゃあやんのかよ?だったら残って良いよ」
慌ててツルッパが言う。
「良いよ、良いよ、待ってる!」
ぼくを突き飛ばす勢いで車から降りようとする。
僕はパチンコ屋の方向を指差してツルッパに言った。
「あっちの方になんか食い物屋あったよ。どっかその辺で2時間ぐらい待ってな。日当いくらか払うから」
ツルッパは嬉しそうに言った。
「マジで?」
「さっき皆待ってる間に遊びでパチンコしたら勝ったんだよ。今日のゴトが中止でも小遣いぐらいあげるよ」
そう言って3万円と7万円のレシートを見せた。
「すげぇなぁ〜」
そう言ってツルッパは驚いている。
「あ〜 これ両替して来て…」
ツルッパは僕が差し出したレシートを受け取り、良いよと言った。
込み上げる笑いを耐えるのは限界に近い。
自分のフトモモをツネッた。
かろうじて笑いを我慢する。
パチンコ屋の場所を教えて僕は言った。
「戻って来ないで良いから、食い物屋見つかったら電話して。僕もすぐ行くかもしんないから」
「分かった」
そう言ってツルッパは、ゴトに向かった…
コメント
あ~やっぱりこのツルッパをさりげなく引き込む下り最高です!展開覚えててもニヤニヤしちゃいます。引き続きお体に気をつけて執筆の方頑張って下さい!
ホースケさんこんばんは。まだまだモバで公開していた分が続きますが、応援宜しくお願いします!