リュウだけが特別その地方を嫌っているのかと思えばそうでは無い。
取引の席などに同席させると良く分かる。
会って直ぐに出身地が知れると口も聞かなくなったりする奴らが多かった。
彼らも大人なので露骨に言い合うような事は余り無かったが…
もしも僕が〇国で日本人に出会えば、どこか安心したりする。
何かで困っていれば助けるかも知れない。
逆も当然起こると思う。
それは決して世界の常識ではなく日本人の常識だと言う事に気付いた。
日本人は世界を代表する仲の良い国民ではないだろうか?
それともこれらは僕一人が感じた勘違いであろうか?
上下関係に於いても可笑しいと思う事がある…
昨日までペコペコしていた奴が新しいゴト道具を手に入れると露骨に威張りだす。
そこに恥じらいと言う物が見えない。
昨日の奴隷が今日の親分である。
それを昨日の親分はアッサリと受け入れてペコペコし始める。
日本人であるならば少しは遠慮しないであろうか?
これでは組織として機能しない。
組織として〇国人と向かい合った時、僕達は負ける事が無かった。
僕はゴトの期間を通して彼らを理解出来なかった。
犯罪者では在るが、日本人である事に僕は誇りを持ち続けた。
「なんで人集めんの?」
僕は当たり前の事を、冷し中華に聞いた。
冷し中華は酷く慌てて喋る。
カタコトが更にガタゴトになっている。
宇宙人?
「お前何言ってるかサッパリ分からん…」
この馬鹿がと思ったのは当然である。
少し落ち着いて冷し中華が喋り出す。
一人10万ぐらいには短時間でなるゴトを今やっているから、なるべく多くの人を集めて来て欲しいと言う。
「どんなゴト?」
人を集めるのに、どんなゴトかを聞くのは当然であろう。
ましてやこの時が人様のゴトを手伝う初めてである。
危険の度合いも分からずに人は集めづらい。
集めるとしても、みんな自分のゴトがある。
そのゴトよりも危険で儲けが薄かったりすれば、グズグズ言われるのは僕である。
「それは来てから言うザンス」
馬鹿が僕に駆け引きか?
何の前フリも無く、突然人を集めてくれと当日に言うと言う事は困っていると言う事であろう。
危ないのか?
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