〇国人と付き合う内に流石に僕も気付いた…
馬鹿では無いと…
しかしこの時既に遅い。
僕の中ではカタコトを馬鹿と思う事が癖に為っていた。
〇国とは広い国である。
一つの国の中で言葉が通じ合わない所もある。
貧しい地方も在って教育など受けていない人達も居る。
そう言う地方から日本に来た人達は、乱暴な犯罪を犯す事が多かったように思う。
日本語を、一切喋れない状態で日本に入り込んで来ている以上、仕事が無い事は想像出来る。
彼らが出来る選択は、限り無く狭い。
変造カードが日本で流行っていた為、稼げると言われて連れて来られる。
しかしゴトは、そんなに甘い物では無い。
すぐに彼らは現実を知る。
知ったからと言って帰る訳には行かない。
多額の借金を背負って日本に来ている以上、お金を持たずに帰る事は親族一同の地獄を意味する。
就職はままならず日本での生活は困窮を極める。
その内、ビザを持っていたとしても切れる。
何でもやってやろうと彼らが思うまでに時間は掛からないであろう。
彼らは自国で犯罪者であった訳では無い。
貧しい農村の、家族想いの、心優しい青年達が多かったように僕は感じた。
教育をキチンと受けていない人間には乱暴者が多い…
彼らが犯す犯罪が単純な方向へと進むのは至極当然であった。
だからと言って彼らを認める訳では無い。
被害に遭うのは何の罪も無い日本人なのである。
更には、一日20時間近くを真面目に働き、借金を返しながらも犯罪者に堕ちずに暮らす、〇国の人々の方が数多くいた。
3年間寝ないで働けば借金が終わる可能性があると言う。
先に希望の見えない貧困は人を根底から変えるような気がする。
変造カードが生み出した闇の部分の一角である。
もう一つ…
僕には〇国の人々と付き合う中で理解出来ない事があった。
それは僕が日本人であったからであろう。
彼らは、同じ国の人間であるのに出身地によっていがみ合うようであった。
都市部の人間は地方の人間を忌み嫌う。
逆も同様であった。
日本で例えるならば東京の人間が他県の人間を嫌うような感じになる。
ただ気に入らないと言う程度の感じでは無かった。
都市部出身のリュウなどは酷かった。
「アイツらは動物アルヨ!同じ空気吸うだけで病気になるよ!」
などとよく言った。
そんなアホな…
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