ゴキブリ達と別れて直ぐに源次に電話をした。
「ゴキブリ達と、今話したんだけど、源次さんだけ僕と一緒にやる事になった… 平気かい?」
よろしくと源次は言った。
「ゴキブリ達から電話が来たら、ウジムシが捕まりそうになったからゴトは怖いって言っておきな。借金の返済方法は明日また話そう。分かった?」
「はい」
そう言った切り電話は沈黙した。
余計な事は聞いたりしない人らしい…
また可笑しい奴が入ったと疲れを感じた。
次の日に借金返済の方法を源次と話した。
「ゴキブリ達には、僕がアンタを打ち子で連れ廻して、月に20日ぐらい、一日2万払うって言ってあるから、話しを併せといてな。でも僕はアンタを連れ廻さない。普通にゴトをしてもらう。2万はゴキブリ達に取られるけど残りの金はどう返済するか自分で決めな。ゴキブリ達になんか言われたらゴトは怖いとでも言っとけば良いから」
源次は、はいと言った…
源次に逮捕歴はあるかと聞くと無いと言う。
捕まった場合の借金を踏み倒す方法を伝授する。
この時僕は、借金の元金が400万だと言う事を知らなかった。
それが一年足らずで2400万にされていた。
知っていれば借金返済などしなくても済む方法はいくらでもあった。
僕は妄爺の店で犯罪の裏側を数限りなく見聞きしている。
その道の悪事の専門家達が沢山出入りしていた。
ソイツらは、敵に廻せばウザイが、味方にすれば力になった。
彼らは僕に協力的である。
組織力と暴力がヤクザの力であるならば、僕もそれに多少は対抗出来る力を持ち始めていたように思う。
しかし、僕の力はお金が掛かる…
なるべく使わない。
勿体ないからである…
どんなに稼いでも僕はセコかった…
なるべくお金をかけずに悪智恵を働かせるようにしていた。
嘘やハッタリや、ズルい事は得意であった…
駄目じゃん!!
源次に言った。
「もし捕まっても暴れたりしてなければ、最悪2ヶ月で出て来られる。替わりに借金をチャラに出来る方法がある。聞くか?」
「はい」
「ゴキブリ達はアンタが警察に捕まっても、出て来たら直ぐにまたゴトをさせるって言ってる。でも僕は警察まで行った奴は二度と使わない。捕まれば借金は残る。だから捕まったら警察に全部喋りな。ゴキブリ達に、無理矢理借金返済の為にゴトをさせられたって言えば事件になる。事件に為れば借金はチャラになる」
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