リカちゃんが倒れた原因は真面目にやり過ぎたからであろう。
稼ぎがトップクラスと言う事は、電波を浴び続けた時間も、トップクラスと言う事である。
リカちゃん事件を、経験した後に振り返って見ると、僕達にも思いあたる事がいくつもあった。
ホールで突然吐き気に襲われ、車で横になった事も何回かある。
手足が痺れたようになった事もある。
大概がすぐ良くなったので電波と関連付けなかった。
電波は目に見えないのである…
後に詳しく知る事になったが、道具から発射されている電波は、凄まじい威力であった。
機械が苦手なので上手く説明出来ない…
専門的な説明も事細かく聞いたのだが、何を言っているのか理解出来なかった…
何言っちゃってんの?コイツ?
そう思っていた…
アホである…
ソケットから外した蛍光灯に、電波を飛ばすと、電気が点く威力であった。
例えでは無く、本当に点く。
電波なのに電気が点く。
ある意味、殺人マシーンであった。
命を削ってゴトをする。
そう言う感じである。
しかしこの時は、まだ詳しく分かっていない。
道具屋に、一人心臓が止まった事を伝えると、体にアルミホイルを巻いてから道具を装着すれば平気だと言う。
電波を散らすそうだ…
嘘だとすぐに気付いた。
心臓は守れるかもしれないが、頭にアルミホイルは巻けない。
間違い無く馬鹿になる…
脳みそが破壊されるような気がした。
僕はリカちゃん事件以来余り電波ゴトをしなくなった。
やったのは短時間で大金になる電波ゴトだけである…
ゴトで死んだり、クルクルパーにはなりたく無い…
手下もリカちゃん事件を全員知っていたので、辞める奴が出ると思ったが誰も辞めなかった。
儲けだけを考えると、カードゴトより電波ゴトが確実であった。
当たり前のように体にアルミホイルを巻いて電波ゴトを続ける。
元々狂った奴らばかりだったので、今さら馬鹿になる心配はしないようであった。
馬鹿が電波で、更に馬鹿になる。
恐ろしい事であった。
少し賢かったリカちゃんだけは、スパッと電波ゴトをやめた。
死に掛けたので当然ではあろう。
人にやらせ始めた…
全て女の子である。
方法はヤクザと対して変わらない。
話しが付いていて安全である事を餌にして、アガリの70%ぐらいを巻き上げているようであった。
さらには店員を引き込む新規開拓も怠らない。
抱える打ち子は増えて行く。
道具も一人で3台前後抱えていた。
一度死んで更にパワーアップしたリカちゃんであった。
お前…
死にかける度に強くなる…
あれか?
サイヤ人か??
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