リーダー格の呼び出しには成功した。
道具を250万で売る相手が見つかったと言わせた。
喜んで持って来るとリーダーは言っていた。
何一つ疑っていない。
高速の出口近くのファミレスの駐車場で待ち合わせをした。
電話から2時間後にリーダーから到着した事を告げる電話が掛かった。
既にファミレスには手下4人が待機している。
Gの男に言わせるセリフは決まっていた。
「迎えに行った人達の車に乗って来て」
リーダーは何の疑いも無く引っ掛かった。
手下の車に乗せてすぐにアイマスクをさせた。
「アジトを知られたく無いと言え。抵抗したら絞めろ」
そう僕は手下に言った。
倉庫に連れて来られたリーダーは既に手下に絞め上げられていた。
抵抗したと言う。
嘘であろう…
気に入らなかっただけだろう。
倉庫に着いて更に手下が絞め上げた。
リーダーは、ただ謝り続けるだけであった。
こんな物だろうと思い手下を止めた。
道具も無事回収した。
最後にお金の話しを僕がした。
「二人で500万用意しろ」
そんなお金を、4人が持っていないであろう事は初めから分かっていた。
この当時の道具代など、僕が手に入れる値段は50万を切っていた。
下手くそなゴト師でも10日も稼動すれば作れる金額である。
人を襲ってまでも奪う意味が僕には分からない。
仕入れ先を知らなければ、道具の修理さえ出来ないのである。
当然人に売るのは難しい。
道具を高い物と認識しているのか、手に入れられない立場のゴト師と想像出来た。
人に使われているのか、仕入れ値段が200万円に近いのか…
なんにせよ稼げない奴らだと思っていた。
下っ端のゴト師の生態もある程度知れている。
一日5万円前後のお金を稼ぎ、大半を夜の内に消費する。
明日への不安は口にするが、深くは考えない。
誰かが、どうにかしてくれると思っている。
ゴトが永久に続くと信じ込んでいる。
それが下っ端のゴト師の思考回路である。
こんな奴らが、まとまったお金など持っている訳がない。
なのに500万の請求をした。
回収する方法があるからである。
手下に絞め上げられた茶髪のガッチリしたリーダーは、地べたに座り俯いていた。
顔はデコボコよりも腫れ上がっている。
やり過ぎだろ…
コイツら限度を知らないのか…
改めて筋肉マン達が馬鹿に見えた。
茶髪の横には、パイプ椅子に座り、見ているだけしか出来なかったGの男が呆然としている。
仲間を売った男…
「慰謝料と道具のレンタル賃だ。どっちが金用意するんでも良いぞ」
僕は二人にそう言った。
お金が出来なければGTRを売り飛ばす。
ブローカーとの話しは付いていた。
「書類さえ揃えば、その場で買い取るよ。俺は善意の第三者って事で問題ないしな」
少し前に、車の年式を伝えた所、350万なら買うと言う。
相場よりも安く買い叩かれている事は分かっていた。
しかし捕まる可能性が高い以上、仕方の無い事である。
茶髪が先に口を開いた。
払う意思はあるが、お金は100万程しか無いと言う。
「そんな事は知らねえよ。金が足りないならGTR売り飛ばすから書類用意しろ」
Gの男に嫌が言える状況では無かった。
書類作成と、茶髪の現金を銀行から下ろす為、三人の手下に連れられて、Gの男は倉庫を後にした。
Gの男の顔には、完全に諦めの色しか無かった。
コメント
10年前くらいになるのかな17歳か18歳の時モバゲーで読んでました!
中国人の田中とその後どうなったかめちゃくちゃ気になってます。笑
いつか、僕勉強してましたの方も更新してもらえたら嬉しいです!
更新応援してます!頑張ってください!
17歳か18歳だったかモバゲーで読んでいました!
もう10年前くらいになるのかな?
中国人の田中さんとの結末がめちゃくちゃ気になってます!笑
更新頑張ってください応援してます!
いつか僕勉強してましたも見れる日を心待ちにしております!
packさんコメントありがとうございます。モバゲー時代にも読んで下さっていた方からのお声がけは、ほんっっとーーーに嬉しいです。僕勉強の方も覚えていていただいて、ありがとうございます。そちらも中途半端なので、どうしようかと思案中です。このブログはほぼ毎日更新しますので、これからも宜しくお願いします。