電波ゴト11

このお話しには余り女の子が登場していない。

しかしゴト師の中にも女の子は何人かいた。

婆さんとハツコは女の子では無い。

昔は知らんが…

そこで一人強烈な個性を発揮していた女ゴト師を紹介したい。

悪魔…

クのイチ…

極道の女…

一度死んで、生き返った女…

その実態は…

新宿歌舞伎町のキャバ嬢【リカちゃん】22才。

「リカちゃんねぇ〜」

って自分で言う…

出会いは妄爺の店。

【カノウ】と言う新宿のボッタクリバーを経営するヤクザの女だった。

顔は綺麗な感じでは無く中途半端に可愛い感じ。

身長は低めで巨乳ちゃんだった…

自分の性は売り物だと豪語する。

このリカちゃん、他の男の前だとブリブリしていたが、なぜか僕には最初から本性をさらけ出していた。

とてつもなく質の悪い女である。

「昔何して遊んでた?」

そう何の気無しに聞いた事がある。

「原チャリで走り廻ったりカツアゲとか万引き」

リカちゃんはツマらなそうに答えた。

それ遊びか?

ヤンキーあがり決定。

その後がまた凄い。

人も一人殺してた…

殺したと言っても直接手を下した訳ではない。

間接的とは言え、リカちゃんの果たした役割は直接となんら変わらないとは思う…

リカちゃんの男のカノウは新宿でボッタクリバーを経営していた。

ボッタクリバーとは、ビール一本、柿の種やポッキー等のオツマミを注文しただけで、5万だの10万だのをむしり取る質の悪い飲み屋である。

お客が会計の際にお金を持っていなければ、殴る蹴るの暴行を働いたりする。

殴ったからと言って許す訳ではない。

家族や友人にお金を持って来させたり、サラ金巡りをさせたりして、お金はキッチリ回収される。

今の歌舞伎町で、この様なボッタクリバーは激減しているが、当時は結構な数があった。

よく道端で、血だらけになって転がっている人を目撃した。

これに対して警察は余りにもお粗末であった。

暴行の確認が取れないと飲み代のやり取りなので、民事不介入を言われて手出しが出来ないと言う態度をとり続けた。

無法地帯である。

テレビ等でもこの現状はよく取り上げられていた。

当然歌舞伎町に飲みに行く人間も気をつけてはいる。

見知らぬ店には入らないようにすると言う事である。

そうしてボッタクリバーに引っかかるお客は減って行った。

しかしボッタクリバー側も大人しく鴨が来るのを待っているような事はしなかった。

そこで登場するのがリカちゃん…

キャッチな女である。

なんか可愛く聞こえるが、やる事はえげつない。

良い感じに酔っ払った、お金を持っていそうな男に近付き、私の知ってるお店で飲もうよ、とか言ってオッパイを押し付けたりする…

アホな男は悲しいかな簡単に引っかかってしまう。

俺モテる、とか思っちゃう…

当然リカちゃんも、この後男がどうなるのかは知っている。

回収したお金の何割かも受け取る。

ある時連れ込んだ男の財布の中に、200万の現金をリカちゃんは確認した。

当然のように全部頂こうと考えた。

会計の際に請求するのでは、いくら何でも警察が黙っていまい。

そこで何度かそれまでにも使っていた手口で行く事にしたと言う。

泥酔作戦である。

この時の男は悪い事にリカちゃんがキャッチしたのではなく、鴨を道端で物色していたリカちゃんを自らナンパしていた。

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