このお話しには余り女の子が登場していない。
しかしゴト師の中にも女の子は何人かいた。
婆さんとハツコは女の子では無い。
昔は知らんが…
そこで一人強烈な個性を発揮していた女ゴト師を紹介したい。
悪魔…
クのイチ…
極道の女…
一度死んで、生き返った女…
その実態は…
新宿歌舞伎町のキャバ嬢【リカちゃん】22才。
「リカちゃんねぇ〜」
って自分で言う…
出会いは妄爺の店。
【カノウ】と言う新宿のボッタクリバーを経営するヤクザの女だった。
顔は綺麗な感じでは無く中途半端に可愛い感じ。
身長は低めで巨乳ちゃんだった…
自分の性は売り物だと豪語する。
このリカちゃん、他の男の前だとブリブリしていたが、なぜか僕には最初から本性をさらけ出していた。
とてつもなく質の悪い女である。
「昔何して遊んでた?」
そう何の気無しに聞いた事がある。
「原チャリで走り廻ったりカツアゲとか万引き」
リカちゃんはツマらなそうに答えた。
それ遊びか?
ヤンキーあがり決定。
その後がまた凄い。
人も一人殺してた…
殺したと言っても直接手を下した訳ではない。
間接的とは言え、リカちゃんの果たした役割は直接となんら変わらないとは思う…
リカちゃんの男のカノウは新宿でボッタクリバーを経営していた。
ボッタクリバーとは、ビール一本、柿の種やポッキー等のオツマミを注文しただけで、5万だの10万だのをむしり取る質の悪い飲み屋である。
お客が会計の際にお金を持っていなければ、殴る蹴るの暴行を働いたりする。
殴ったからと言って許す訳ではない。
家族や友人にお金を持って来させたり、サラ金巡りをさせたりして、お金はキッチリ回収される。
今の歌舞伎町で、この様なボッタクリバーは激減しているが、当時は結構な数があった。
よく道端で、血だらけになって転がっている人を目撃した。
これに対して警察は余りにもお粗末であった。
暴行の確認が取れないと飲み代のやり取りなので、民事不介入を言われて手出しが出来ないと言う態度をとり続けた。
無法地帯である。
テレビ等でもこの現状はよく取り上げられていた。
当然歌舞伎町に飲みに行く人間も気をつけてはいる。
見知らぬ店には入らないようにすると言う事である。
そうしてボッタクリバーに引っかかるお客は減って行った。
しかしボッタクリバー側も大人しく鴨が来るのを待っているような事はしなかった。
そこで登場するのがリカちゃん…
キャッチな女である。
なんか可愛く聞こえるが、やる事はえげつない。
良い感じに酔っ払った、お金を持っていそうな男に近付き、私の知ってるお店で飲もうよ、とか言ってオッパイを押し付けたりする…
アホな男は悲しいかな簡単に引っかかってしまう。
俺モテる、とか思っちゃう…
当然リカちゃんも、この後男がどうなるのかは知っている。
回収したお金の何割かも受け取る。
ある時連れ込んだ男の財布の中に、200万の現金をリカちゃんは確認した。
当然のように全部頂こうと考えた。
会計の際に請求するのでは、いくら何でも警察が黙っていまい。
そこで何度かそれまでにも使っていた手口で行く事にしたと言う。
泥酔作戦である。
この時の男は悪い事にリカちゃんがキャッチしたのではなく、鴨を道端で物色していたリカちゃんを自らナンパしていた。
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