電波ゴト2

優柔不断って奴か?

僕は少しイライラして来た。

よく見るとスネ夫の顔も気に入らない。

めんどくさくなった。

「ここでお客さんに見られる方がまずいだろ。そのファミレスで話せば良いだろうが。はよ決めろ!」

怒鳴りはしないが脅かした…

「はい!分かりました!すぐ行きます!」

青くなったスネ夫はそう言って自分の車に乗り込んだ。

え?

あれ?

失敗じゃないの?

僕って怖く見えるの?

悩んでしまった。

その後、スネ夫は逃げる事もなくファミレスに来た。

そして僕が言うゴト師壊滅作戦や、カードの金額を上げるアイデアなどを、全て受け入れた…

良いの??

まるで自分が敏腕の営業マンになった様な錯覚に陥った。

不思議で仕方なかった。

完全に僕がヂャイアンである…

この後も、この関係が崩れる事は無かった。

スネ夫の店での立場は、三軒を統轄する部長であった。

コイツ部長?!

パチンコ業界どうなってんだ?

そう思った。

スネ夫は思わぬ拾い物であった。

スネ夫の店を【タケコブタ】と呼ぶ事にする。

微妙に盗作ちゃうし…

漢字だと【竹子豚】

タケコブタでも既にカード会社から注意は来ていた。

しかしサンゾクや海賊に比べると緩い感じがした。

派手な玉抜きなどされていないので、カード会社も強く言えないようであった。

カード会社は、パチンコ屋に、ゴト師を捕まえてくれとは頼めない立場である。

捕まえる際の労働力はパチンコ屋の物なのである。

自分達で捕まえろと言われたらカード会社はお手上げであった。

ここに変造カードが大爆発した全ての元凶がある。

パッキーカード会社は、官僚の天下り先として出来た側面がある。

パチンコ業界の脱税を防ぐためと言う、お題目は掲げていた。

カードを使わせる事でパチンコ業界の収入をハッキリ掴むと唱えていた。

そして使われたカード1枚に対して2円?(忘れた1円かも。でもそんなもの)程をパチンコ屋から徴収する。

カードの導入に際して、関連設備を買わされるパチンコ業界は、当然強く反対をした。

そこで打ち出された手口が、カードを使う機種のみ、連チャンする【確変】を認めると言う卑怯な手であった。

連チャンすると言う事は、お客さんの射幸心を煽れるのである。

その頃、現金機は連チャンしづらい時短機能しかなく、人気機種は、確変機能の付いたカード使用機に集中していた。

パチンコ業界は泣くなくカードを導入したのである。 

カード会社の為に動くパチンコ屋が少なかったのも道理である。

お偉い誰かさん達は汚いのである。

と誰かが言っていた…

次の日から、タケコブタに入り込む変造カードゴト師を一週間で排除した。

カード会社が、うるさく言って来てはいなかったので、ゴト師を追い払うだけにした。

ゴト師など警察に突き出すのは面倒である。

追い払う方法は簡単であった。

一度捕まえると思うだろうが捕まえてはいけない。

捕まえてから追い払うと捕まっても帰れると噂が広まる。

カードゴト師は、カードの受け取りの際や、ゴト師同志の横の繋がりで、情報を共有している面がある。

帰れると噂が広まれば逆にゴト師を呼びよせてしまう。

捕まえてしまったら警察に届けるのが正解である。

ゴト師が溢れる店は、この間違いをよく犯していた。

ならばどう追い払うか…

それは、ゴト師に逃げ切れたと思わせる事である。

方法として僕が見つけたゴト師を店員にがっちりマークさせる。

そして捕まえる直前の動きを店員にさせる。

ゴト師はマークされた段階で自分の危機に気付いている。

どう逃げるかだけを考えている。

そこで少しスキを作ってやれば、ゴト師はすっ飛んで逃げる。

そして仲間の所に戻り、自分の逃亡劇を大袈裟に喋る。

その恐怖劇は噂となって広まる。

あの店は危ない!

ゴト師などアホばかりである…

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