偽造・変造カード30

ハーネスゴト最終日の朝、ファミレスに婆さんやリュウやハツコ達も集まった。

リュウや婆さん達は変造カードをサンゾクで打つ。

僕は遊び…

出来ればやりたかった。

良夫ちゃんへの暗示は既に前日に掛けてある

「絶対捕まらない! 捕まったら僕が助ける!」

以上!

難しい事を言っても無駄なのだ…

バカだから…

しかし良夫ちゃんはエンジン全開になった!

「じゃあ100箱出せますね」

「う・うん… そうだね…」

更に儲けられる方法も伝受した。

「ゴキブリと出玉勝負してごらん。出した分の何%か賭けて。絶対勝てるよ。僕が話し付けてやるから」

「やります!」

あっさり頷いた…

さすが欲張り良夫ちゃん。

そしてファミレスで、ゴキブリに僕は切り出した。

「良夫ちゃんと出玉勝負すれば?何%か、賭けて」

少し嫌そうな顔をするゴキブリに畳み掛けた。

「なんだよ〜 ヤクザがブルってどうすんだよ〜 良夫ちゃんが怖いの?この前イジメてたくせに」

思い切り馬鹿にするように言った。

「良夫ちゃんは?やる?」

そう僕は聞いた。

「やるって昨日言ったじゃないですか」

「…… 」

ダメだ…

こう言うの通じない…

併せる事が出来ないアホだった。

少し焦りながらゴキブリに言った。

「やるってよ… どうする大将!」

わざとらしかったが乗って来た。

ゴキブリは良夫ちゃんを舐めていた。

結果、負けた方が取り分の半分を差し出す事になった。

これで少しは退屈が紛れると思った。

サンゾクの開店と同時に店に入って、イキナリ出し始める事にした。

止められたら法律を盾にゴネる。

絶対に台の中の点検には長い時間は応じない。

便所には店員に疑われてからは行かない。

確変だけをセットし続ける。

いくつかのルールを頭に叩き込ませてホールへと二人を送り出した。

ホールへ向かう良夫ちゃんの格好は、普段履かないジーパンだった…

それ変装??

一抹の不安が残る…

期待して平気だったのか?

そして開店になった。

開店30分後…

不安が的中した…

的中と言っても見た目でバレた訳では無い。

店内の様子を僕に伝える役は婆さんに頼んでいた。

携帯で、見て来てと頼めば婆さんが見に行く。

打ち子二人も携帯は持っているが緊急の場合だけ使う事にしていた。

ゴキブリは、入店5分後には確変を引いて、順調に箱を積み上げ始めた。

しかし良夫ちゃんは30分経っても大当たりを引かない。

ゴキブリとの差が開く…

僕は失敗した事に気が付いた。

前日にハーネスのセット方法を良夫ちゃんとゴキブリに教えた。

最初は紙に書いて教えたのだが、何となく良夫ちゃんが不安だった。

「分かった?」

二人に聞くと、ゴキブリは裏ロムで慣れているので、すぐに理解した。

例え慣れていなくても、日本人なら理解出来るのだ。

良夫ちゃんも分かったと言った。

しかし僕は全く信用していなかった。

嘘だな…

一回で理解する訳ない!

騙されないぞ!

ゴキブリと別れた後に、良夫ちゃんを近くのホールに練習に連れて行った。

セットの中にある1分待つや40秒待つと言う部分は、時計を見ないでやらなければならない。

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