なぜバレて小池が捕まったのかは、余り詳しく分からない。
店側が小池に話さなかったからである。
売上の落ち込みに不審を感じて、いろいろ調べたのであろう。
当然真っ先に裏ロムを疑い調べたであろう。
サンゾクは社長が一軒しか経営していないパチンコ店である。
ハーネスの情報を知らずに裏ロムだけを調べたのだろう。
ハーネスは、知っていなければ、見つける事は、まだ難しかった。
最終的には、防犯カメラのチェックをして気付いたようである。
この時サンゾクに付いていた防犯カメラは、早送り機能の無いボロい物だった。
24時間見返すのに24時間掛かる。
小池のハーネス取り付けを見つけるまでに二日掛かったと店長が怒っていたと言う。
その後も社長は僕に何も言って来なかった。
小池が、警察を呼んだらカードの事を喋ると脅かしている以上、僕も同じ事を言うのを予想したのであろう。
歯抜けに相談もしづらかったと思う。
ならばリュウ達を打たせないかと言えば、ソレもしなかった。
これはゴトでは無かったか?
ただの恐喝だったようにも思う…
この先、このお話しを書いて行くにあたって、お断りをいくつかさせて頂きたい。
僕はこの当時毎日ゴトにかかわる事をしていました。
休みらしい休みは取った覚えがありません。
何かの都合で突然ゴトが出来なくなる時はありました。
それもなんらかのゴト絡みです。
ゴトは完全に生活でした。
昨日のご飯は何を食べたかは思いだせますが、一年前の昨日のご飯は思い出せません。
それでも、印象に強く残った美味しい物や、クソかと思う程マズかった物は、昨日の事のように思い出せます。
それを僕の記憶力と照らし合わせてみると、お話しの前後が入れ代わっちゃったりします。
時期が前後する可能性が高いと言う事です…
さらに…
毎日パチンコなりスロットをしていましたが、パチンコ台やスロット台にあまり興味がありませんでした。
ゴトをするのに関係が無かったからです。
ホールの防犯やゴト道具の使い方に神経を使っていました。
なのでコチラもちと怪しい…
なぜこんな事を書くのか?
それは…
このお話しを、想像話しや、妄想話しや、空想話しと思わせず、リアリティーを出すため…
か?
それは知らない。
回りくどく書きましたが本心はコチラかもしれない…
すんません!!
見逃して!!
小池が捕まり、サンゾクでのハーネスゴトは終わりを向かえた…
と思いきや、まだ出来た。
これには僕もリュウもビックリした。
店長達が、ビデオで見返した、小池のハーネス取り付け現場に写っていない、前の週に取り付けた、パ〇フルの二台がソックリ残っていた。
大工の〇さんと、もう一機種は、ビデオに写っていなくても見つけられて取り外されていたのだが…
パ〇フルはハーネスの情報が全く出回らない程、出来たばかりの物だった。
取り付けに他の二機種より少し時間が掛かるのでリュウが動かさない指示をたまたま出していた。
ゴトは情報さえ知られていなければゴト師の方が強い。
典型的な形であった。
当然のように、それからも打ち子を入れた。
しかし抜く金額も回数も減らして細々とやるぐらいであった。
月に百万円は出さなかったと記憶する。
僕はサンゾクでのハーネスゴトを経験してハーネスや裏ロムに興味を無くしていた。
儲けが薄いわりに手間が掛かる。
まだまだ変造カードの方が儲けは上だと思い続けた。
しかし、このパ〇フルだけは最後まで店側に見つかる事なく、記録を残す事になった…
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