変造・偽造カード7


リュウをチラッと見るとニヤニヤしている。

また日本人が笑われている…

小池…

お前のせいだ…

そもそも僕だって嫌だ。

なにより儲けが薄い。

危険が儲けに見合っていない。

興味なんか無かったのに、小池が言い出した事で始まった。

言わば僕は、1番の被害者である。

「やるよ。今更イチ抜けたはダメだぞ…」

堪えて冷静に言った。

仕方ないなあ〜と言う感じで、僕のいくつかの質問に小池は答えた…

リュウはニヤニヤ…

小池は取り分が少ないからイヤイヤ…

二人に挟まれ僕はイライラ…

そんな作戦会議であった。

大丈夫か? おい…

結果、取り付けは、カードの無くなる三日後の朝イチに決まった。

小池が鍵を開け、僕が取り付ける。

リュウはその間、取り付ける台から離れた所で、騒ぎを起こす。

騒ぎと言ってもたいした事をさせる訳では無い。

積んである空箱を倒させるだけである。

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その後リュウは、僕がハーネスを取り付けている列に向かうお客さんが居たら、〇国語で話し掛けて少しでも足止めさせる。

取り付ける台は既に人気の無い【フィーバーパ〇フル】に決まっていた。

どうせ朝イチなどお客さんは来ない。

鍵を開けた小池は、取り付けの列に近づく店員を止める。

ハーネスの取り付けは何度も練習して掛かる時間が30秒を切っている。

最初の1台はチョロイなと、安易に思っていた。

しかし最低でも2台は取り付けたい。

1台では取り付けた後に毎日出しづらい。

1台取り付けに成功したら、小池を呼んで次の1台を開けさせる。

リュウにはまさか二回も箱を倒させる訳にも行かないので、次は打ち子に騒ぎを起こさせる。

玉抜きした玉を、ホールのフロアーに、ばらまかせる事に決めた。

その玉をばらまくタイミングはリュウが打ち子に伝える事になっている。

だからと言って打ち子には細かい話しは一切していない。

なぜなら取り分を払わなければいけなくなるからだ…

僕はセコいのである。

「リュウが声掛けたら箱を地面に落として玉バラまいて…」

僕は打ち子にソレだけ言った。

「なんで?」

打ち子が聞いてくる…

「五千円やるから黙ってまけ!」

話しを付けた…

その後リュウは〇国語ブロックに戻る。

小池も同様である。

完璧な作戦に思えた。

リュウと、小池に、この作戦を話すと、馬鹿な子を見る顔をされた…

リュウなどは、完全に反対をしている。

やかましい…

お前がビビるなら意地でもやる…

日本人のガッツを見せてやる!

なにか勘違いをしている僕であった。


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