更に【言い訳しちゃった編2】へと続く。
僕が静岡で、ひと月の間に稼いだ金額は一千万円を越える。
その内、ガンガンで稼いだ金額は、東京から連れて行った打ち子に、エラーカードの解除や、サンドの鍵作りなど、余計な仕事をさせた事により、別個にお金を払ったので七十万円程であった。
【なぜ僕はこんなにガンガンに固執したのだろう?】
必死になって…
一日の稼ぎとして七十万円が少ないとは言わないが、この当時の僕には驚く金額ではない。
ガンガンのクダリを書いていて、ソコが不思議でならなかった。
金の亡者だったからか?
この話しの先を書こうとして思い出した。
海賊と東京では使っている変造カードが違った。
磁気情報は全く同じなのだが、パッキーカードでは無く、パニーカードと言うデザインが違うカードであった。
デザインが違うだけで全国で使える。
しかし目立つ。
ゴトをやる以上目立つのはまずい。
僕はガンガンに、こだわった訳では無く、カードの消化にこだわっていたと言うことである
そんだけ…
かん カン 完!
ガンガンでの打ち込みが終わった後で、脇坂と変造カードの取引の話しをした。
値段が中々折り合わない。
彼は、僕に負けない欲タカリである。
それでも何度か取引をした。
しかし名古屋方面で使うと言う事だったので、パッキーカードでは無く、パニーカードを欲しがった。
儲けは少ないしカードを集めるのも面倒臭い。
なによりもクソヤクザを鴨に出来ないのが気に入らなかった。
ダルいから適当な嘘を付いて取引はすぐやめた。
しかしこの先何度もゴト関連では取引があった。
随分先の話しになるが、僕は脇坂との取引で重大なミスを犯す。
完全に僕が悪い。
しかし汚いマネをした脇坂は自ら墓穴を掘る事になった。
指が飛んだ。
バカである。
予告編… カン…
東京に戻った僕は、静岡に連れて行った打ち子達と別れた。
しかし彼らは、海賊で変造カードを毎日打ち続けた事で、少し変わっていた。
普通のお店で打つ事を、余り怖がらなくなっていた。
海賊では玉抜きの練習も沢山して来た。
ガンガンでは人のサンドの鍵まで捻った。
更には物凄いプレッシャーの中を通り過ぎた。
全てに【慣れた】のである。
僕からカード買わないかな~と思ったが、雪ちゃんからいつも買っていると言うので、手出しはしなかった。
雪ちゃんじゃ仕方ない…
なぜなら綺麗だから。
彼らをこの後も何度か使う事はあった。
たまに彼らと会うと、言う事が毎回強気になって行く。
ゴトで怖い物など何も無いと言わんばかりに…
しかし変造カードが終わるまでに、全員が警察のご厄介になって消えて行った。
最初に怖いと口にする奴は【慣れ】ても無駄である。
土壇場で必ず腰が引ける。
そう言う事である…
ちなみにツルッパは、変わらず怖がりで、僕の周りをチョロチョロして行く。
サンゾクは打ち込む金額を二百万から百五十万に下げてはいたが順調であった。
海賊を終わらせた今となっては、警察の内偵は入っていると思っている。
いつ捕まっても、おかしくはない。
静岡から帰って来て僕は疲れていた。
ゴトに対する疲れでは無い。
打ち子の安全を考える事にである。
人の安全など、どうでも良かった。
自分勝手に適当にやりたかった。
稼ぎ過ぎたお金が、僕から何かを奪っていた。
サンゾクをやめるには全てが調度良かった。
サンゾクでの三ヶ月に満たない打ち込みで、僕の稼ぎは四千万を越えている。
仕入れている変造カードが無くなり次第、やめる事に決めた。
やめる事は最初にリュウに言った。
「カード無くなったらサンゾクやめよ…」
「全部やめるアルカ?」
ん?
「全部? 全部って何?」
リュウが言うには、ハツコと二人で、一日十万円ぐらいづつ、サンゾクで打てるようにして欲しいと言う。
当然見逃してである。
確かにイキナリ全部やめる必要もない。
遊び感覚でやるならカード会社も目くじらは立てないであろう。
リュウやハツコは、普通の店では打てないのである。
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