偽造・変造カード33

僕の予想とは違い、先に店員に目を付けられたのはゴキブリだった。

単純に積んだ箱の異常さであろう。

お客さんが増えているとは言え、20箱を越えれば出過ぎな店なのである。

しかし店員はチラチラ見て行く程度である。

ゴキブリは、この程度で反応を見せた。

僕の携帯が震える。

「何?」

「なんか目ぇ付けられたっぽいよ…」

馬鹿か?

コイツ…

やる前から分かってる事だろが…

いくら何でも、こんなに早くバンザイして貰ってはお金にならん。

「あ そう。頑張ってね。それとイチイチ電話いらんよ。出し続けてくれれば良いだけだから。良夫ちゃんより出てんでしょ?」

「ああ、出てるよ。あのオヤジ駄目だな!」

ゴキブリは得意げに言った。

「あのオヤジ根性無いから困ってんだよ。ゴキブリさん頑張ってよ。あんまり出せないと、取り分10%ぐらいに下げられちゃうし、罰金も取られちゃうからさ」

サラっと得意の嘘こいた。

「おう 分かった。ガンガン出してくるわ!」

分かった?

今コイツ分かったって言ったな…

出せなきゃゴキブリ取り分無しだな…

取り分10%で、良夫ちゃんに更に半分持って行かれる。

僕も、取り分が少ないとゴネて半分取る。

ゴキブリ一円にもならねぇ。

笑える…

馬鹿な奴だな。

それとも罰金とか言って金ふんだくろうかな?

持ってなきゃ脇坂から巻き上げるかな…

ヤクザからのケツ取り…

楽しそう!

僕はそんな事を考えながら退屈を紛らわせていた。

退屈紛れに、一番考えていた事は、僕と良夫ちゃんなら、どっちが出せるかと言う事であった。

行き着く答えは必ず僕の勝ちである。

ハーネスや裏ロムのセットは、単発、確変を選べる物が多い。

フィーバーパ〇フルのハーネスも、単発、確変を選べる。

連チャンする確変を引いた後は台まかせである。

引きが弱ければワンセットで終わる事も普通にある。

普通は、プチサービスタイムの時短が終わってからまたセットを掛ける。

大当たり間のハマリなどもあるので、以外と時間が掛かる。

バレて困る店ならば、この打ち方が正しいだろう。

しかしサンゾクは、今日で終わるのである。

普段のルールに従う必要など無い。

僕なら時間短縮を狙う…

その為にはセットを掛け続けるのである。

決して台まかせにしない。

大当たり間のハマリは、時間のロスである。

ましてや時短など、ただの遊び時間である。

運に頼らない。

全て自分で出す。

大当たりラウンドが終わった直後に、セットを掛ける。

セット中に自力で当たる事も当然ある。

当たらなくても、ニ、三分後には次の大当たりが確実に来る。

これをただ繰り返す。

セットには、不自然に玉の打ち出しを止める時間があるので、張り付いた店員には確実にゴト師と知られる。

打つのを拒否される可能性は高い。

そんな拒否を、僕は通さない。

何を言われてもセットはやめない。

店員を言いくるめ続ける自信はある。

脅かしたりスカしたり、し続ける。

言い掛かりを付けるなら警察を呼べと言い続ける。

その間もセットはやめない。

なんの道具も証拠も無い以上、当然の権利である。

変則打ちを咎める法律は無い。

警察が来ても、警察を言いくるめる。

任意同行など決して応じない。

逮捕しろと言い続ける。

証拠が無ければ警察など何も出来ない。

人が沢山見ていれば尚更である。

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